相続登記の義務化で司法書士の仕事は増えるのか

相続登記義務化で司法書士の仕事は増える?

「相続登記が義務化される。」

以前から言われていましたが、段々と迫ってきているようです。

司法書士試験の受験生にとっては、「自分が司法書士になったときには相続の仕事が増えるかな?」というところが気になるところではないでしょうか。

相続登記の義務化で司法書士の仕事は増えるか?

法制審議会が年内にまとめる原案に、相続登記の義務化などが盛り込まれるというニュース記事が2019年11月26日に出ました。

土地相続登記を義務化へ 罰則検討、手続きは簡素に(日本経済新聞)

一定期間内に相続登記をしなければ罰則として過料に処すことも盛り込む方向で検討しているそうです。

既に過料規定のある土地家屋調査士の報告的登記の登記懈怠は「10万円以下の過料」とされています。

相続登記も同じくらいになるのかなと思います。

土地家屋調査士の報告的登記との比較で考えると以下の2点が気になるところ。

  • 過料規定があっても放置されている
  • 司法書士に依頼して過料の10万円以上かかるなら放置されてしまう?

この2点について考えてみました。

相続登記義務化されても登記は放置されるか

今回の相続登記義務化と併せて、自治体への届け出を義務づける制度を新たに設けることも盛り込まれるそうです。

自治体に届け出る際に登記申請について、罰則についても案内されるのであれば放置する人はそんなに多くはないのかなと思っています。死亡届を出すときにまとめて案内されることになるかもしれませんしね。

相続登記が義務化されて過料があっても司法書士費用が高額なら放置されるか?

相続登記が義務化され、過料が設定されても「過料10万円以下」であれば、手続きするよりも安いから放置しようと考える人は出てくるでしょうか?

この点は相続登記義務化と一緒に検討される「手続きの簡素化」の中身次第かと思います。

司法書士に依頼せずとも本人申請で簡単に相続登記ができるのであれば、本人申請が多くなるかもしれません。本人申請で簡単に出来るなら司法書士の仕事は増えないでしょう。

しかし、いくら簡素化しても「本当に相続人か分からない」「本当にその相続人が土地を相続したのか分からない」状態で登記は入らないでしょうから、手続きに必要な戸籍や遺産分割協議書の作成などの部分はあまり簡素化されないでしょう。

簡素化できても、遺産分割協議書に代わる同意書みたいなものが認められるくらいですかね?

今も相続登記推進のために登録免許税の軽減の制度があったりしますから、登録免許税が安くなる可能性は高いのかなと思っています。

以上のことから、

  • 本人申請ができるほどの簡素化はされない→司法書士に依頼する
  • 登録免許税が安くなる分、司法書士に支払う総額は安くなる

のではないかなと考えられます。

登録免許税が安くなれば地主さんとかでもなければ司法書士費用は結構安く収まるのかなと。安くなるのであれば過料を払うよりお得となっていくのではないかなと思います。

なので、私は司法書士の相続登記の仕事は増えるんじゃないかなと思っています。

相続登記義務化と司法書士の仕事まとめ

相続登記が義務化されると、司法書士の仕事は増えるかどうか、カギを握るのは「手続きの簡素化」の中身だと思います。

戸籍の部分が簡単にならないのであれば、司法書士が申請することが多いでしょうし、法務局もそうなることを期待しているでしょう。

(一般の方が揃えた戸籍のチェックをするより、司法書士が集めた戸籍をチェックする方が抜けがなく楽できるでしょうからね)

相続関係説明図の作成や、法定相続情報一覧図の申出も必要になるのはおそらく変わらないでしょうから司法書士が仕事をする部分は増えると思います。

相続登記義務化で司法書士の仕事が増える!と思われれば、今後司法書士試験の受験生も増加に転じるかもしれませんね。…さすがにそこまでは考えすぎでしょうか?