
おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。

基準点は突破できたけど筆記試験合格できなかった!
来年に向けてもう少し頑張ろう!
今度こそは合格だ!

基準点は超えられるけど、2年連続で合格点に届かなかった…。
そんな状態ではありませんか?
この記事では、基準点を突破できる実力を身につけた方向けに、合格点を超えるための上乗せ点を稼ぐための勉強方針について説明しています。
4回目の受験で司法書士試験に合格した私の実際の戦略を踏まえてお話しますよ。
司法書士試験の合格には上乗せ点が25点ちょっと必要
最近の基準点と合格点から、上乗せ点がどれだけ必要だったかはこんな感じになってます。
年度 | 午前基準点 (105点満点) | 午後択一基準点 (105点満点) | 記述基準点 (70点満点) | 基準点合計 | 合格点 | 必要上乗せ点 |
R3 | 81点 | 66点 | 34.0点 | 181.0点 | 208.5点 | 27.5点 |
R2 | 75点 | 72点 | 32.0点 | 179.0点 | 205.5点 | 26.5点 |
H31 | 75点 | 66点 | 32.5点 | 173.5点 | 197.0点 | 23.5点 |
H30 | 78点 | 72点 | 37.0点 | 187.0点 | 212.5点 | 25.5点 |
H29 | 75点 | 72点 | 34.0点 | 181.0点 | 207.0点 | 26.0点 |
H28 | 75点 | 72点 | 30.5点 | 177.5点 | 200.5点 | 23.0点 |
H27 | 90点 | 72点 | 36.5点 | 198.5点 | 218.0点 | 19.5点 |
H26 | 78点 | 72点 | 37.5点 | 187.5点 | 207.0点 | 19.5点 |
25点ちょっとくらい上乗せ点が取れれば合格できそうな感じですね。
すでに基準点が取れる実力がある人はこの上乗せ点がどれだけ取れるかの勝負になってきます。
次回の試験に向けてどこに重点を置くべきか分析をします。
午前択一が一番上乗せ点が取りやすい!
司法書士試験合格に必要な上乗せ点を稼ぐなら、午前択一で多く稼ぐべきです。
なぜなら午前は試験時間に余裕があるため、時間がないなどの不確定要素で点差がつくことが少なく、どれだけ勉強してきたかによって点差をつけやすいからです。

午前択一の方が基準点が高いし、上乗せできる点数が少ないのでは?
そんな疑問も浮かびますよね。
例えば平成27年度の試験では午前択一の基準点が90点と非常に高く、35問中30問正解していないと基準点すら突破できない年でした。
しかし、午前受験者の上位1.8%が34問以上正解で、12~15点上乗せ点を確保しています。
合格まで最大で残り7.5点上乗せです。
一方、直近の令和3年度の試験では午前択一の基準点は81点。
午前受験者の上位2.75%は33問以上正解して、18~24点上乗せ点を確保しています。
合格まで最大で残り9.5点上乗せが必要でしたね。
このように、午前の基準点が極端に上がったとしても必要な上乗せ点の半分以上は午前択一で稼ぐことができます。
年によっては、午前択一だけで上乗せ点をクリアできることすらあります。
だから、基準点を突破できる実力を身につけた人は午前択一の科目をより完璧に仕上げる勉強に注力するべきです!
- 上乗せ点を稼ぐには午前択一が一番おすすめ
- 午前択一は試験時間に一番余裕があるので勉強の成果が直接出る
- 例年並みであれば、午前択一だけで上乗せ点を稼ぐこともできる
午後択一に深入りすると記述基準点割れの危険が伴う
午後択一で上乗せ点を稼ぐのはあまりおすすめしません。
なぜなら午後は限られた時間を記述に使わなければならないため、どうしても択一の精度が下がってしまうから。
午後択一は登記法が出題されるため、添付書類や前提条件などで問題が長文化しやすいです。
1つ内容を見落とすだけで正誤が入れ替わってしまうため、午後択一で高得点を取ろうとするとどうしても選択肢を入念に読まなければならなくなってしまいます。
午後択一で時間をかけて上乗せ点を確保できても、記述が最後まで解けず基準点に届かなかったら意味が無いんです。

登記法は択一も記述も出題されるのだから、たくさん勉強する方が効率的では?
とも思えますよね。
午後の試験時間に余裕があればその通りになると思います。
しかし、基準点を超える力を身につけた後に上乗せ点を稼ぐには、いかに択一も記述も早く正確に解くことができるかという試験テクニックの要素が強いです。
勉強して覚えた知識の量よりも試験テクニックをいかに上手に使えたかで点差がつきやすい!
だから、基準点を突破できる人なら午後択一は必要以上に深入りしないで、模試などを活用して早く解く試験テクニックを身につけた方が良いです。
早く解けるようになれば時間に余裕ができるので、自然と択一の精度も上がりますからね。
- 午後択一で上乗せ点を稼ごうとするのはおすすめしない
- 午後択一をしっかり解こうとすると時間不足になりやすい
- 基準点が取れる人なら、早く正確に解答できるテクニックを身につけるほうが良い
記述は思った通りに上乗せ点が取れない
記述で合格に必要な上乗せ点を取ろう!という方針もやめておいた方が良いでしょう。
理由は午後択一と同じものに加え、択一の配点と違い記述の配点はブラックボックスになっているからです。
毎年司法書士試験筆記試験が終わると記述式がどうだったか意見交換がされます。
商業登記記述式では今まで「株式発行はほぼ100%発行できる」のが通説でしたが、平成27年度試験では「発行できる派」「発行できない派」に分かれて戦々恐々としました。
普通に考えれば株式発行ができるかできないか、この判断を間違えるかどうかは合否に直結する論点で配点が非常に高いはずです。
しかし、ふたを開けてみると「発行できる派」「発行できない派」のどちらも合格していたのです。
こんな重要な論点が合否を左右しない低い配点になっていたということです。
司法書士試験は相対評価で合格が決まる試験ですから、多すぎず少なすぎず合格者を出す必要があります。
択一の点数は明確で後から操作することができませんが、記述は配点が発表されているわけではないので、記述の配点を操作して適正な数の合格者を出している可能性があります。
憶測の域を出ませんが配点が明確にされていない以上、記述で上乗せ点を確保するという考え方は非常にリスキーでおすすめできません。

でも基準点と満点の差が大きいのが記述。上乗せしやすいのでは?
と思われるかもしれません。
毎年基準点から満点まで30点以上もありますからそう見えますよね。
しかし、現実問題として記述で満点を取ることはほぼ100%不可能です。
直近の令和3年度の試験でも記述の最高点は64.5点で2番目の人でも63.5点。
合格者の中でも成績優秀者が満点に明らかに届かないのに、あなたがこれから記述で満点を目指すのは無謀です。
また、記述の上位2.0%に入る人は56.5点取っています。
司法書士試験合格に必要な上乗せ点の大半が確保できていますが、記述の上位2%に入るのは実力の他に運や集中力といった要素が大きく影響します。
このような様々な理由から、記述で上乗せ点を稼ごうと勉強するのは効率が良くないと言えるのです。
- 記述で上乗せ点を稼ごうと思うのもおすすめしない
- 記述で満点を取る人はいない。
- 記述で基準点以上を取るには運や集中力といった勉強以外の要素も重要になる
午前択一、午後択一、記述式で基準点を突破するにはどのくらいの偏差値が必要になるのかについて以下の記事でまとめていますので、そちらも参考にどうぞ。
関連記事:「司法書士試験は難しすぎる?難易度を合格率の推移と偏差値で検証【攻略法】」 |
司法書士試験の上乗せ25点を取るための勉強方針まとめ
基準点を突破できたら合格するために上乗せ点が例年25点ほど必要です。
上乗せ点は午前択一、午後択一、記述のそれぞれ上位2.0%以上を取ることができれば半分~大半を取ることができます。
上位2.0%をどこで目指すのかと言えば、断然午前択一がおすすめです。
全ての科目について勉強することはもちろん必要ですが、あと少し足りなくて合格できないという人は、特に午前択一の勉強に力を入れるとあと一歩が届くようになりますよ。