おつかれさまです!行政書士&司法書士、ダブル合格している司法書士「よしと」です。
行政書士試験の改正で、今後は行政書士法が出るって本当?
行政書士試験の出題数、配点、足切りはどう変わる?
行政書士試験は今より難しくなる?
行政書士法ではどんな問題が出る?
行政書士法はどうやって対策すれば良い?
そんな風に思っていませんか?
行政書士試験の試験科目が増えると、そのための対策も必要となります。
そのため、この記事では
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についてまとめていきます。
この記事を読むことで、行政書士法がどのくらい重要になるかが分かり、対策をするべきか捨て科目にするべきか判断することができるようになります。
また、行政書士法の対策をする場合に効率的に勉強する方法も分かります。
司法書士試験、行政書士試験の両方に合格している私の経験、勉強法を元に解説していきます。
行政書士試験の変更・改正で行政書士法が出題される?
令和5年6月26日に総務省から「行政書士試験の施行に関する定め」の改正に関する意見募集(いわゆるパブリックコメント)が発表されました。
現在はパブリックコメントの募集段階のため、行政書士法が行政書士試験に出題されることは確定していませんが、かなりの高確率で実現すると思われます。
パブリックコメントの期間は令和5年6月27日~7月26日の1ヶ月です。
まず、上記のパブリックコメント記事から改正部分全体を横書きに直して引用します。
改正前 |
第二 試験科目 [一 略] 二 行政書士の業務に関連する一般知識等(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解) 第三 試験の方法 [一 略] 二 試験問題については、行政書士の業務に関し必要な法令等から四十六題、行政書士の業務に関連する一般知識等から十四題を出題する。 三 出題の形式については、行政書士の業務に関し必要な法令等は択一式及び記述式、行政書士の業務に関連する一般知識等は択一式とする。 |
↓ |
改正後 |
第二 試験科目 [一 略] 二 行政書士の業務に関し必要な基礎知識(一般知識、行政書士法等行政書士業務と、密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解の中からそれぞれ出題することとし、法令については、試験を実施する日の属する年度の四月一日現在施行されている法令に関して出題するものとする。) 第三 試験の方法 [一 略] 二 試験問題については、行政書士の業務に関し必要な法令等から四十六題、行政書士の業務に関し必要な基礎知識から十四題を出題する。 三 出題の形式については、行政書士の業務に関し必要な法令等は択一式及び記述式とし、行政書士の業務に関し必要な基礎知識は択一式とする。 |
この改正内容を簡単にまとめると以下のとおり。
改正内容① | 今までの「一般知識等」は「基礎知識」に名前が変わります。 |
改正内容② |
新しい「基礎知識」の出題の中身は、
になります。 |
という感じ。
一応、「出題内容は4月1日現在の最新法令に合わせます」という文言も加わってますが、今まで明文化されてなかっただけで実質的には変化無しなので割愛。
これらの改正は変更が無ければ、令和6年度行政書士試験から適用される予定となっています。
行政書士試験の変更点
この行政書士試験改正の内容により、令和6年度以降の行政書士試験がどのように変わるか、
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について考察していきます。
科目ごとの出題数と配点の変化
行政書士法が出ると、他の科目の出題数、配点はどう変わる?
多分、政治・経済・社会の出題数が減って、その分が行政書士法になるんじゃないかと予想します。
今回の改正は従来の「一般知識等」の改正であり、「法令科目」の出題数・配点に変更はありません。
新たな「基礎知識」については、出題総数は変わらないので、
従来 | 令和6年度以降(予想) | |
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→ |
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のように、従来の「政治・経済・社会」の出題数を減らし、「行政書士法等」の出題に充てると予想できます。
なぜなら、平成17年以前に出題されていた「行政書士法等」は、平成18年以降「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」の分野で関連知識を問うようになったという歴史があるからです。
足切り、難易度の変化
行政書士法も勉強しなくちゃいけないと、行政書士試験の難易度は上がる?
行政書士法の出題数が2~3問あるなら、政治・経済・社会を頑張らなくても足切りを回避しやすくなるので、むしろ難易度は下がるかも。
現在の「一般知識等」が「基礎知識」に変わっても足切りは変化なしだと思われます。
つまり、
基礎知識で40%以上得点 | = | 基礎知識14問中6問以上 |
という感じ。
今までは「政治・経済・社会」が7問(50%)出題されていたため、「政治・経済・社会」を捨てることができず、対策に膨大な労力が必要でした。
しかし、「行政書士法等」は「個人情報保護」と同じように、法律を中心に勉強しておけばある程度の点数が取れることが見込めるので、勉強の労力を減らすことができるでしょう。
行政書士法等が出題されるようになると、「政治・経済・社会」を法令科目の「商法」と同じように、頻出論点・時事などの要点のみに絞ったり、捨て科目にすることもできるようになる可能性もあります。
行政書士試験の一般知識は運。
と言われることもありましたが今回の改正によって、運に頼らず安定的に足切りを回避しやすくなるでしょう。
変更後に行政書士法ではどんな問題が出るか
行政書士試験の問題作成者は、過去問や他資格の試験問題をチェックしています。
今後、行政書士法の問題を作るときには、似たような業法として司法書士試験の司法書士法の出題を参考にする可能性が高いです。
行政書士法と司法書士法は条文の構成が似ているので、論点も似てきます。
司法書士法の出題を元に、行政書士法でどのような分野が出題されるかの予想をまとめると以下のとおり。
第1条の2 | 業務 |
第2条の2 | 欠格事由 |
第3章 第6条~第7条 | 登録関係 |
第4章 | 行政書士の義務 |
第5章 第13条の3~第13条の19の2 | 行政書士法人関係 |
第6章 | 懲戒関係 |
行政書士法の対策法
令和6年度行政書士試験に向けた、行政書士法の対策法は以下のとおり。
- 司法書士試験の司法書士法の「過去問と条文」を照らし合わせる
- 司法書士法の条文と、同じような行政書士法の条文があるか確かめる
- 同じような条文があれば、司法書士法の過去問を行政書士に読み替えて勉強する
この手順で勉強することにより、行政書士法の過去問が無くても行政書士法の対策をすることができます。
司法書士試験の過去問題集は何種類かありますが、行政書士法対策として使うなら過去問を厳選せずに網羅的に掲載している「合格ゾーン」がおすすめです。
行政書士法が出題される行政書士試験の変更・改正まとめ
このまま行政書士試験が改正されると、令和6年度行政書士試験から基礎知識として行政書士法等が出題されるようになります。
基礎知識(現:一般知識等)が全14問出題されるのは変わらないため、「政治・経済・社会」の出題数が減り、行政書士法等が出題されるのではないかと予想できます。
政治・経済・社会に比べると、行政書士法の勉強範囲は限定的であるため、比較的対策がしやすく、行政書士試験全体の難易度は下がる可能性もあります。
行政書士法の問題は、司法書士試験の司法書士法の過去問を参考に作られる可能性が高いため、司法書士法の過去問と司法書士法・行政書士法の条文を照らし合わせることで対策ができます。
法令科目や行政書士法を勉強することは、法律家としての素養になるほか、行政書士業務について知る機会にもなります。
行政書士法の出題にもしっかり対応して、あなたが行政書士としてふさわしい能力を持っていることを示してやりましょう!