【新司法書士試験とは?】司法書士試験の免除制度【試験免除と筆記試験免除】

司法書士試験の免除制度司法書士試験
よしと
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おつかれさまです!司法書士の「よしと」です。

司法書士って試験に合格せずになることはできないの?

司法書士試験には税理士試験の科目合格のような試験免除制度はない?

司法書士試験の免除制度ってどうしたら利用できる?

新司法書士試験のウワサがあるけどいつから始まるの?

そんな疑問はないでしょうか?

 

司法書士試験は合格率約4%という難関試験。

私は4年間かけて司法書士試験に合格しましたが、合格した人間が振り返ってもとても難しい試験だと思います。

そんな難しい試験ですから試験が免除されるのであれば是非利用したいですよね。

 

そのためこの記事では、司法書士試験の2つの試験免除制度について、今後の新司法書士試験による免除制度の変更の動きについて説明します。

 

この記事を読むことで、今使える免除制度とはどのようなものなのか、あなたに使えそうなものなのかどうかが分かりますよ。

 

なかなか利用する機会はないものですが、万が一のときに役立つ場合もあるかもしれません。

新司法書士試験についてだけ先に確認したい人は、以下のリンクから飛べます。

「新司法書士試験はいつから?科目免除制度が増える?」

 

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司法書士試験の免除制度は現在2つ

司法書士試験には免除制度として以下の2つがあります。

司法書士試験の2つの免除制度
  • 試験免除(試験を受けずに司法書士になれる)
  • 筆記試験免除(筆記試験を受けず口述試験を受けて司法書士になれる)

それぞれの免除制度について、根拠や実際の利用状況などについて説明していきます。

司法書士試験の試験免除

試験免除を受けられれば、司法書士試験を受けることなく日本司法書士会連合会、司法書士会に登録して司法書士となることができます。

試験免除の根拠は司法書士法 第4条です。

司法書士法

第四条 次の各号のいずれかに該当する者は、司法書士となる資格を有する。

一 司法書士試験に合格した者

二 裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官若しくは検察事務官としてその職務に従事した期間が通算して十年以上になる者又はこれと同等以上の法律に関する知識及び実務の経験を有する者であつて、法務大臣が前条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認めたもの

この2号が試験免除です。

わかりやすくまとめると、

裁判所事務官等として10年以上勤務で法務大臣が認定した者
(または)
↑と同等以上の知識経験で

が司法書士試験を受けずに司法書士登録をすることができます。

「同等以上の知識経験」の方は実例がほぼなく、平成18年に特許庁の弁理士制度小委員会で配布された「各士業の免除制度について」の資料でも書かれていません。

裁判所事務官の合格率

司法書士試験の試験免除、つまり法務大臣の認定を受けるためにはまず裁判所事務官にならなくてはなりません。

裁判所事務官の採用試験もいくつかに分けられていますが、2019年度の受験者数や合格率などの情報をまとめると以下のとおり。

試験種受験者数合計最終合格者数合計合格率
総合職試験裁判所事務官院卒者区分104109.61%
大卒程度区分37671.86%
家庭裁判所調査官補院卒者区分1101614.54%
大卒程度区分3874712.14%
一般職試験裁判所事務官大卒程度区分8,8481,25514.18%
高卒者区分3,1401304.14%

受験資格が必要でありながら、合格率はあまり高くなくかなり難易度の高い試験です。

裁判所事務官採用試験自体は法学部以外からの合格も可能ですが、採用後に裁判所書記官にキャリアアップする際の研修期間が法学部卒だと1年間に短縮されるというメリットもあるため、法学部卒の受験者が多い試験です。

法学部以外の場合には裁判所書記官になるために2年間の研修が必要になります。

法学部であっても公務員試験の予備校に通って試験に合格する人も多い試験ですので、司法書士になることが目的であれば最初から司法書士の予備校に通って勉強をした方が効率が良いでしょう。

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法務事務官・検察事務官の合格率

検察事務官=検察庁

法務事務官=法務省

に勤める事務官です。

 

法務事務官から司法書士になるのは、実質的に法務局の事務官や登記官が対象となってくるので、ここでは法務省本省の話は置いておきます。

 

検察庁や法務局に法務事務官として採用されるためには、国家公務員採用一般職試験に合格する必要あり。

国家公務員採用一般職試験(行政・事務)の2019年度の受験者数や合格率などの情報をまとめると以下のようになります。

試験種受験者数合計最終合格者数合計合格率
国家公務員採用一般職試験(大卒程度)25,0885,67522.62%
国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)13,7972,30516.70%

国家公務員採用一般職試験に合格すると、検察庁や法務局などの採用面接を受ける権利を得ることができます。

実際に2019年度に国家公務員採用一般職試験に合格し、検察庁や法務局に採用された人数は以下のとおりです。

法務局検察庁
大卒程度203138
高卒者試験104126

法務省:一般職試験(大卒程度試験・高卒者試験)の年度別・機関別採用状況

大卒程度で検察庁や法務局の採用面接を受けるのであれば、法学部の方が内定をもらいやすいということはあるかもしれません。

 

どちらにせよ、まずは国家公務員採用一般職試験に合格する必要があるため、こちらも公務員試験の予備校に通う人が多く、司法書士になるために法務局や検察庁を目指している人はいないでしょう。

 

司法書士と公務員のどちらを選ぶかで迷っている大学生には、以下の記事が参考になります。

関連記事:「大学生で司法書士取得!就活での有利点・合格法を解説」

法務大臣の認定

裁判所事務官等として10年以上勤務すれば誰でも司法書士になれるわけではなく、法務大臣の認定が必要になります。

実際に10年勤めれば法務大臣の認定を受けられるのかと言うと、現実にはほとんど無いようです。

 

この認定制度は、実質的には定年退職者の一部を対象とした制度である模様。

法務大臣の認定を受ける面から考えても、司法書士になるために裁判所事務官を目指すのは現実的ではありません。

関連記事:「【経験者が解説!】公務員から司法書士を目指す方法・注意点」

 

司法書士試験の筆記試験免除

司法書士試験の筆記試験免除の根拠は司法書士法 第6条第3項です。

司法書士法

第六条

(1項2項略)

3 筆記試験に合格した者に対しては、その申請により、次回の司法書士試験の筆記試験を免除する。

(4項略)

筆記試験に合格したが口述試験で不合格となり最終合格することができなかった人が、翌年の筆記試験を免除される制度となっています。

口述試験って不合格になることがあるのか…

と思う人もいるかもしれません。

しかし、口述試験はほぼ100%行けば受かる試験となっているので、口述試験に不合格となるのは

口述試験当日に交通事情などで間に合わなかった
仕事を休めない事情ができてしまった
冠婚葬祭などにより行けなかった
本人や近い人が急病のため病院に行かなければならなかった

といった口述試験を受けられなかったケースと考えられます。

関連記事:「【司法書士】口述試験の合格率の実態。不合格はない?【口述対策】」

不可抗力で口述試験が受けられなかったら、翌年またあの筆記試験に合格してくださいというのは非常に酷ですよね。

そのための救済措置として筆記試験が免除されることになっています。

口述試験を受けたけど不適格として落とされてしまった人がいるのであれば、わざわざ救済してあげる必要はありません。

この筆記試験免除制度があることからも、口述試験で落とすことは想定されていないと言えるでしょう。

筆記試験免除の利用法

もし、筆記試験免除制度を使う場合の利用法は、司法書士試験受験案内書に書かれています。

 

通常の願書提出に加えて必要なものは、

  • 前年度の筆記試験合格通知書原本
  • ↑の写し
  • (郵送提出の場合)原本返送用の封筒(書留料金分の切手貼付)

の3つとなっています。

 

注意点は、通常の筆記試験受験者と同じ期間内に免除申請をしなければならない点です。

口述試験はまだ先だからとゆっくりしていると、筆記試験免除どころか筆記試験を改めて受けることもできなくなりますので、さらに翌年にまた筆記試験を受けなければならなくなります。

新司法書士試験はいつから?科目免除制度が増える?

2020年5月ごろに

「新司法書士試験が検討されていて、法科大学院卒業者などが科目免除を受けられるようになる」

といった趣旨の話題が急に広まりました。

 

その情報が載っている冊子の内容を実際に確認した結果ですが、

 

司法書士試験受験生のみなさんは、考えるだけ無駄なので新司法書士試験のことは全部忘れて勉強してください。

 

というのが私の結論になります。

その理由は以下のとおり。

  • 掲載冊子は研究発表の場
  • 法科大学院の科目免除はおまけで本筋ではない
  • 検討会の最終報告がされたのは2016年6月

それぞれの理由について少しだけ詳しく説明していきますね。

掲載冊子は研究発表の場

受験生に衝撃を与えた、法科大学院卒業者の新司法書士試験科目免除の情報が載った雑誌は、「THINK 司法書士論叢」の第118号です。

THINK

日本司法書士会連合会:THINK 司法書士論叢 会報第118号(目次)

 

THINKは速報性のある「月報司法書士」とは違い、研究論文などの発表の場です。

第118号の特集が「専門職養成」であり、その1つとして話題となった新司法書士試験の内容が載っています。

 

つまり、

今後の司法書士制度はこうなります!

という話ではなく

私(私たち)は司法書士制度がこうしていくと良いと思うよ!

という種類の話です。

 

事実として、新司法書士試験だけでなく、法科大学院の科目免除の話が出てこない全く別の司法書士養成制度の論文も載っています。

この点からも、今回話題になった新司法書士試験&科目免除制度が実現する可能性は現時点ではほとんど無いと言えるでしょう。

法科大学院の科目免除制度は「オマケ」

新司法書士試験の合格者は大学等で1年司法書士養成の講義を受けて、修了認定を受けたら司法書士登録できるようになる、というのが制度の中心内容です。

 

このような新司法書士試験合格者の養成制度が取り上げられた理由は、

  • 司法書士倫理の教育が大事になっている
  • 試験が実務に偏っているため、法学の基礎が分かっていない司法書士が多い

ということです。

検討会の委員の方々は、学校法人・大学・弁護士・裁判所関係者が中心であるため、法学の基礎が大事だ!という考え方からこの制度が出てきたと考えられます。

そのため、

法科大学院卒業者や司法試験予備試験合格者なら、法学の基礎はできているに違いないから科目免除しても良いのでは?

という考えに至ったのだと思われます。

それなら、新司法書士試験合格後の大学等での講義を一部免除すれば良いんじゃと私は思いますけど。

そんな感じで、科目免除についてはちょろっと出てきているだけなので司法書士養成制度が現実味を帯びてくるとしても、科目免除が最後まで残っているかは不透明です。

最終報告は2016年6月

新司法書士試験のことを考えるだけ無駄な1番の理由は、この最終報告がされたのが2016年6月ということです。

 

つまり、最終報告書が出たあとこの4年間、なんにも進んでいないということです。

ちなみに、従来の司法試験から新司法試験が始まるまでの流れは以下のとおり。

1999年司法制度改革が始まる
2002年司法試験法の一部改正
2006年初回試験実施

このように、目に見える動きが始まって6年後にようやく試験が始まっています。

新司法書士試験はまだ改革が始まるかも分からない1意見の状態ですので、最短でもあと6年は試験制度が変わることがないと言うことができるでしょう。

新司法書士試験自体が実現する可能性自体が現時点ではあんまりないとも思えますが。

これらの理由で、「新司法書士試験について考えるだけ無駄」と私は考えています。

みなさまも無闇に不安を広げるようなことをしないようにしてくださいね。

 

司法書士になりたい思うのであれば、今からコツコツと勉強を積み重ねるのが一番の方法です。

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司法書士試験の試験免除制度まとめ

司法書士試験の試験免除、筆記試験免除は以下のような場合に使われる制度と言うことができるでしょう。

裁判所の職員として定年まで勤め上げた人が、第二の人生として司法書士をする場合
筆記試験合格後に事情により口述試験を受けられなかった人が、翌年司法書士試験を受け直す場合

残念ながらこれから司法書士を目指す人が意図的に使える制度ではありません。

司法書士試験に裏技はありませんので、着実に毎日勉強を積み重ねて試験に合格するのが司法書士になる唯一、一番の近道です。

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