おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
司法書士試験の基準点ギリギリだと合格は難しいんだろうか。
あんなに頑張って勉強したのに、これでダメだったら来年はどう勉強したら良いんだろう。
そんな風に思っていませんか?
司法書士試験は難易度が高く、合格率は約5%の狭き門。
必死に勉強した結果、基準点ギリギリで合格できるか不安を抱えている人も多くいます。
そのため、この記事では
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について解説していきます。
基準点ギリギリの状態から合格するための具体的な方針について、私が実際にやったことを含めて紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
司法書士試験で基準点ギリギリの人は合格できる?
司法書士試験で択一式の基準点ギリギリの人にも合格する可能性はあります。
ただし、合格するためには総合得点が合格点を超える必要があるため、記述式でかなり稼がなければなりません。
ここから以下の流れで、基準点ギリギリの人の合格可能性について説明していきます。
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基準点の推移
司法書士試験の基準点は、毎年受験者の得点状況に応じて変動します。
基準点が変動する理由は以下のとおり。
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実際の司法書士試験の平成19年から令和4年度までの16年分の択一式基準点の推移は以下のとおり。
午前択一基準点 | 午後択一基準点 | |
平成19年度 | 84点 | 84点 |
平成20年度 | 84点 | 78点 |
平成21年度 | 87点 | 75点 |
平成22年度 | 81点 | 75点 |
平成23年度 | 78点 | 72点 |
平成24年度 | 84点 | 78点 |
平成25年度 | 84点 | 81点 |
平成26年度 | 78点 | 72点 |
平成27年度 | 90点 | 72点 |
平成28年度 | 75点 | 72点 |
平成29年度 | 75点 | 72点 |
平成30年度 | 78点 | 72点 |
平成31年度 | 75点 | 66点 |
令和2年度 | 75点 | 72点 |
令和3年度 | 81点 | 66点 |
令和4年度 | 81点 | 75点 |
択一式の基準点は66点~90点(22問~30問)の間となっています。
基準点突破には択一式の正答率が62.9%~85.7%必要だったことになります。
時間に余裕がある午前択一式のほうが全体的に得点が高くなるため、基準点も午前択一式のほうが高くなる傾向があります。
2023年の基準点発表
択一式の基準点は筆記試験の約1ヶ月後に公表され、2023年度は8月14日(月)に発表されています。
2023年度の択一式基準点は以下のとおり。
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択一式の得点順位別員数表によると、午前択一式は上位30.50%、午後択一式は上位20.79%が基準点を突破しています。
ギリギリ合格はある?総合落ちの危険性
司法書士試験の合格には基準点の突破に加え合格点を超える必要があり、基準点を超えても合格点を超えられなければ総合落ちとなってしまいます。
平成25年度~令和5年度の基準点合計、合格点、必要な上乗せ点をまとめると以下のとおり。
司法書士試験年度 | 基準点の合計 | 合格点 | 必要な上乗せ点 |
平成25年度 | 204.0点 | 221.5点 | 17.5点 |
平成26年度 | 187.5点 | 207.0点 | 19.5点 |
平成27年度 | 198.5点 | 218.0点 | 19.5点 |
平成28年度 | 177.5点 | 200.5点 | 23点 |
平成29年度 | 181.0点 | 207.0点 | 26点 |
平成30年度 | 187.0点 | 212.5点 | 25.5点 |
平成31年度 | 173.5点 | 197.0点 | 23.5点 |
令和2年度 | 179.0点 |
205.5点 |
26.5点 |
令和3年度 | 181.0点 |
208.5点 |
27.5点 |
令和4年度 | 191.0点 |
216.5点 |
25.5点 |
令和5年度 | 183.5点 |
211.0点 |
27.5点 |
司法書士試験では10年前と比べて、近年は必要な上乗せ点が増加しています。
近年は上乗せ点が25.5~27.5点前後必要となる傾向が続いています。
上乗せ点が増えた理由は、受験者数が減少したから。
記述式は択一式の基準点を超えた人のみ採点されますが、記述式の採点は毎年2,000人前後行われます。
全体の受験者数が減少した結果、択一式の基準点は下がって突破しやすくなり、その代わりに合格点が引き上がっているのです。
択一式の基準点ギリギリの人が今年合格するには、記述式でこの上乗せ点を稼ぐ必要があります。
しかし、記述式で上乗せ点の大部分を稼ぐのはかなり難しいです。
なぜなら令和4年度を例に挙げると、司法書士試験の記述式の最高得点は63.0点であり、記述式基準点+上乗せ点の55.5点以上は記述式上位0.9%(20人)しかいないからです。
択一式は基準点ギリギリだったけど、記述式はほぼ完璧な回答が書けた!
というくらいの自信がある人でなければ、記述式での上乗せは難しく、総合落ちの危険性は高いです。
記述の採点基準は?
法務省は司法書士試験の記述式の採点基準について公表していません。
採点基準はブラックボックスですが、辰已法律研究所の松本講師は、10年以上分の受験生の答案開示請求した答案と、採点結果データから採点基準を推測しています。
基準点は一定ではなく毎年変動していますが、毎年おおむね平均点ぐらいになっています。
直近3年の記述式基準点と平均点は以下のとおり。
司法書士試験年度 | 記述式基準点 | 平均点 |
令和3年度 | 34.0点 | 33.94点 |
令和4年度 | 35.0点 | 33.83点 |
令和5年度 | 30.5点 | 29.44点 |
基準点≒平均点であるため、あなたが記述式でどれだけ上乗せ点が稼げているかは、周りの人の出来次第で決まります。
細かい採点基準を気にするよりも周りの人がどのくらいできているのかを把握したほうが自分の立ち位置が分かるでしょう。
司法書士試験で基準点ギリギリの人がやっておきたい勉強
択一式の基準点ギリギリの人は、残念ながら総合落ちの可能性は高いです。
しかし、択一式の基準点を突破して記述式が採点されるのはおよそ上位15%の受験生だけ。
択一式の基準点を突破したあなたは、もう司法書士試験合格の道のりの85%を超えており、残り10%進めれば合格です。
具体的な勉強法としては、
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といったものが考えられます。
しかし、あなたが基準点を超えるまでにこうした勉強法は既にやっているでしょう。
そのため、本番でさらに得点を伸ばすポイントについて解説していきます。
基準点の上乗せは午前択一で稼ぐ
基準点ギリギリの人は午前択一で上乗せ点を稼ぐのがおすすめです。
なぜなら、午前は試験時間に余裕があり、午後のように焦って間違えることが少なく、勉強量が得点に直結しやすいからです。
午前択一式 | 時間が余るので、実力通りの結果を出せる。 |
午後択一式 | 時間が足りず、知っていたのに間違えたということが起こりやすい。 |
午後記述式 | 時間が足りないだけでなく、細かい採点基準が不明のため、得点に結びつかない勉強をする可能性がある。 また、毎年のように予想外な問題が出るため出題予想が難しい。 |
実際に令和5年度司法書士試験でも90点(30問)以上得点している人の割合は、
午前択一 | 1,665人(上位12.09%) |
午後択一 | 673人(上位5.03%) |
であり、午前択一で稼げている人のほうが倍以上多いです。
午前択一は30問以上、午後択一は20問代後半くらいは取れるようになると合格の可能性は高まります。
特に午前択一は満点を目指すつもりで勉強すると良いでしょう。
記述式で上乗せ点を稼ごうとすると勉強効率が悪いので、記述式は大失敗せずに安定して解ける解法をマスターすることを優先しましょう。
基準点に届かない人もほぼ同様
基準点にもう少し届かなかった人も、ほぼ同様の勉強をすれば合格する可能性は十分にあります。
実際に私の3年目は午前択一で15点足らず足切りでしたが、4年目に一気に合格しています。
もう少し基準点に届かなかったという人でも上位20~25%くらいまでは来ていますので、ギリギリ基準点を超えた人との差はほとんどありません。
基準点を超えるためには特に
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といった「基礎を100%正解する勉強」を意識すると良いです。
司法書士試験の基準点ギリギリから合格する方法まとめ
司法書士試験は基準点ギリギリの人は残念ながら総合落ちしてしまう可能性が高いです。
基準点ギリギリの状態から来年合格するためには、以下のポイントを意識して勉強しましょう。
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司法書士試験は合格までに長い時間と努力が必要です。
しかし、諦めずに勉強を続ければ合格は可能。
ましてや基準点をギリギリ超えられたのであれば合格はもう目前のところまで来ています。
あなたに必要な勉強が何なのかをしっかりと考えて勉強計画を立て、実行していきましょう。