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おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
難しい司法書士試験に合格し「司法書士になっても生活ができないのではないか」と不安を抱える人は少なくありません。
しかし、実際のところ司法書士としての収入はどのようなものなのでしょうか?
この記事では、
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について現役の司法書士が解説していきます。
あなたがこれから司法書士を目指しているなら、ぜひ参考にしてください。
司法書士は生活できないのか
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司法書士試験に合格しても生活できないという意見がありますが本当?
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資格さえ取れば安泰と考えているなら厳しいかも。
ちゃんと自分で考えて資格を活用するなら、生活できないなんてことは無いと思います。
ほとんど営業活動してない私が生活できていますし。
司法書士は生活できないという話も確かに存在しますが、それは少数派です。
どういった場合には生活できないと感じるのかなど、もう少し具体的に説明していきます。
司法書士は難しいわりに稼げない?
司法書士は合格率5%と難しいわりに稼げないと言われることがあります。
しかし、実際には稼げていない理由は
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といった原因があることがほとんど。
司法書士試験に合格して勤務司法書士として働いた場合、大手求人情報サイトや司法書士会の求人情報を調べると平均年収は312万円~384万円ほど。
このように難しい試験に合格しても、事務所に勤務して人に使われるのであれば割に合いません。
司法書士は基本的には独立して稼ぐ資格です。
しかし、資格さえあれば大丈夫と何も考えずにただ独立しても仕事が受注できず稼ぐことができません。
どのように自分を信頼してもらい、仕事を依頼してもらうのかなど経営計画を立てる必要があります。
司法書士になって後悔する人
司法書士になって後悔する人がいるのは事実ですが、その理由は様々です。
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司法書士は事務所によって働き方などが全く違うので、事務所によっては労働環境がブラックなところもあります。
これは個人の事務所でも、司法書士法人でも、です。事務所の規模はあまり関係がありません。
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ようやく念願の司法書士になれたが、勤務がつらい。
時間も給料も足りない。
もうこれ以上生活できない。
と司法書士を辞めて他業種に転職してしまう人も。
司法書士の年収の本音
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司法書士ってそんなに大変なのに生活できないくらい稼げないの?
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司法書士の年収は働き方次第で大きく変わってきます。
昔よりはマシになったと言われますが、勤務司法書士はやっぱり薄給ですね。
司法書士の年収は働き方で全然違います。
働き方と性別ごとに平均年収を比較すると以下のとおり。
働き方 | 平均年収 | ソース |
勤務司法書士(男女) | 312万円~384万円 | 大手の一般転職サイト 司法書士会の求人情報 |
独立開業司法書士(男性) | 595万円 | 司法書士白書2015年版 |
独立開業司法書士(女性) | 456.75万円 |
独立開業する場合、開業当初など年収200万円に満たない人もいます。
一方で、1,000万円以上稼いでいる人も男女問わず10%以上います。
独立してすぐの生活は大変ですが、きちんと仕事を増やしていけば司法書士で生活できないということはあまり無いでしょう。
行政書士は生活できないのか
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司法書士と行政書士のどっちのほうが稼げるかな?
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一般的には司法書士のほうが稼げると言われます。
行政書士のほうが仕事を軌道に乗せるのが大変かも。
行政書士も難しい試験ですが、司法書士よりも合格率は高め。
日本行政書士会連合会が発行している「月刊 日本行政 2018年10月号」によると、行政書士の年間売上高は以下のとおり。
年間売上高 | 割合(平成30年) | 割合(平成25年) |
500万円未満 | 78.7% | 78.0% |
1,000万円未満 | 11.3% | 11.4% |
2,000万円未満 | 5.3% | 5.0% |
3,000万円未満 | 1.8% | 1.9% |
4,000万円未満 | 0.8% | 0.9% |
5,000万円未満 | 0.5% | 0.6% |
1億円未満 | 0.8% | 0.7% |
1億円以上 | 0.3% | 0.3% |
未回答 | 0.4% | 1.2% |
年収ではなく「売上高」のため、この金額から諸々の経費を引いた金額が年収となります。
行政書士は売上高ベースでも1,000万円以上は10%未満であることから、司法書士のほうが稼ぎやすいことは事実です。
実際に行政書士から司法書士に転身した先生も「司法書士は同じ努力で3倍稼げる」「行政書士だけでは生活できなかった」と発言されています。
行政書士から司法書士に転身した身だが、同じやり方(むしろ行政書士の方が頑張ってた)で行政書士の3倍以上の収益を登録2年目で稼いでいたので、やり方だけではない気がする。
— アプラ (@apllaoffice) June 19, 2022
僕の経験ですが、行政書士だけでは生活できず(ちなみに家族3人)、他に2つの仕事をかけ持ちしていました。同業者に忙しくされていた方がいましたが、その方は入管業務を中心にやっていましたよ。
— アプラ (@apllaoffice) June 21, 2022
しかし、行政書士でも司法書士でもあなたが生活できるかどうかは、最終的にはやり方次第です。
行政書士だけで下手な司法書士よりも大幅に稼いでいる人はいくらでもいます。
司法書士で生活できない状態にならない方法
司法書士事務所勤務は「修行」と言われることもあり、給料が安くても仕方がないという風潮があります。
そのため、司法書士で生活していけるようになるには独立開業を視野に入れる必要があるでしょう。
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でも独立に失敗した話も聞いたことがある。
自分にはとても独立なんてできない。
そう感じる人のために、司法書士で食えない人がどのくらいいるのか、独立するときの方針について簡単に解説します。
司法書士で食いっぱぐれる人はどのくらいいる?
司法書士として独立した後に生活できず、廃業する司法書士はそんなに多くはありません。
「司法書士白書2022年版」によると、最も新しい令和2年度の「登録取消者数」は585人でした。
585人のうち100人ちょっとは死亡を原因とする取消です。
残りの480人前後の中には以下のような人も含まれています。
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同じく司法書士白書2022年版によると、年代ごとの司法書士数は以下のとおり。
年代 | 司法書士数 | 割合 |
20歳代 | 211人 | 0.9% |
30歳代 | 3,254人 | 14.3% |
40歳代 | 7,154人 | 31.5% |
50歳代 | 4,112人 | 18.1% |
60歳代 | 3,776人 | 16.6% |
70歳代 | 3,324人 | 14.6% |
80歳代 | 759人 | 3.3% |
90歳代以上 | 128人 | 0.6% |
合計 | 22,718人 | 100% |
80歳代以上になるとガクッと司法書士数が減っていることが一目瞭然。
80~90歳くらいで司法書士を廃業する人が非常に多いことが分かります。
これらの人は「仕事がなく生活できないから」廃業したわけではないですから、純粋に仕事が無くて生活できずに廃業する司法書士はほとんどいないことがデータからも推測できるのです。
失敗リスクを最小限に抑えて独立する
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事務所勤務には不満があるけど、独立するのはリスクがあるから怖くてとてもできない。
こうした考え方はブラック企業に勤めながら「自分が辞めたら仕事が回らない」「ここを辞めたら自分なんか他では通用しない」と言って我慢を続けている状態に似ています。
独立と言うと難しくてリスクが高いことのように聞こえます。
しかし、司法書士の独立については廃業リスクを大幅に下げることができます。
司法書士の廃業リスクが低い理由は以下のとおり。
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司法書士には不動産登記、相続登記、成年後見などがあるため日本全国に仕事があります。
また、賃料が高い事務所を借りたり、従業員を雇わなくても、パソコンとプリンターがあれば自宅で独立開業できます。
毎月の固定費を限りなく0に近づけることができるので、一般企業の倒産のような状態になる可能性も0に近づけられます。
自分で営業して仕事を増やすことが難しければ、事務所のサイトを作って集客したり、成年後見業務をするために入会するリーガルサポートから成年後見業務を受任することもできます。
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独立したら仕事が増えるまでは、絶対に他の仕事をして食いつないだりしない。
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独立しても成年後見業務だけは絶対にやらない。
など、意味のないこだわりやプライドを持たなければ司法書士として独立して生活できないことはありません。
司法書士が不足している地域で独立する
それでも独立に不安があったり、独立の元手が無いという人は司法書士が不足している地域で独立しましょう。
日本司法書士会連合会が「司法過疎地」と判断した地域で独立開業する場合、「開業貸付金」と「定着貸付金」を受けることができます。
開業貸付金(個人会員) | 180万円以内 |
定着貸付金(個人会員) | 540万円以内 |
これらは貸付金ですが、3年以上事務所を置いた場合には一部・全部の返還の免除があります。
また、司法過疎地では仕事が集中してやってくるため、全国平均よりも平均年収が100万円近く高いという傾向もあります。
これだけの支援や仕事があれば生活できないことはないでしょう。
司法書士は生活できないからやめとけという人の本音
司法書士として独立している人には「司法書士は生活できない」と言う人はあまりいません。
それでは「司法書士は生活できない」と言うのはどういう人で、本音はどのようなものでしょうか。
いくつか例を挙げおきましょう。
司法書士は生活できないからやめとけという人 | 本音 |
司法書士試験を諦めた人 | 私がなりたくてなれなかったから、あなただけが司法書士になるのは悔しい |
試験合格して司法書士にならなかった人 | 司法書士は通過点で、司法試験に合格したほうが儲かるに決まっている |
(元)(現)勤務司法書士 | 仕事、収入、人間関係が辛い。私が辛いのだからみんなも辛いに違いない。 |
繰り返しですが、独立している人で「司法書士は生活できない」と言う人はあまりいません。
業務内容が合わないなどの理由が無ければ司法書士として生活できると私は考えています。
司法書士は生活できないという話の真偽と対策まとめ
司法書士は難関資格の割に稼げないと言われることがあります。
しかし、実際に稼げない原因は働き方に問題があることがほとんど。
勤務司法書士として働く場合の年収は高くなく、人によっては生活できないと感じることもあるでしょう。
独立開業した場合、開業当初は収入がありませんが仕事を順調に増やしていけば勤務以上に稼ぐことができ、生活できないということはありません。
独立にはリスクがありますが、
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といったこともあるため、独立しやすくリスクは小さくすることができます。
あなたが司法書士として仕事をしていきたいと考えているなら、あなたが司法書士として生活できるくらいに稼ぐことは難しくありません。