【男性・女性】司法書士の平均年収・中央値【独立開業と事務所勤務で比較】

気になる司法書士の年収 司法書士試験
よしと
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おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。

司法書士の年収ってどのくらい?平均は?中央値は?

勤務司法書士の年収と、独立開業している司法書士では年収はどのくらい違う?

実にストレートな質問ですが、これから司法書士を受けようか迷っている人、今頑張って勉強している人にとってはとても気になりますよね。

この記事では、気になる司法書士の年収についてまとめていきます。

開業(男性・女性)事務所勤務に分けてまとめています。

私自身の主観をなるべく排除して、公開されているデータに基づいた数値をまとめました。

結論をまとめると、勤務司法書士は稼げるとは言い難いですが、独立するなら1,000万円稼ぐ人も10%以上おりかなり夢がある資格です。

独学での合格者はかなり少ないため、これから司法書士を目指すなら自分に合う予備校・通信講座を使いましょう。

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事務所に勤務後、現在は独立開業中の司法書士の1人である私も関心を持ちながら説明します。

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司法書士の平均年収はどのくらい?

司法書士の平均年収は500~600万円くらいではないかと考えられます。

しかし、年収の平均値にあまり意味はありません。

なぜなら、開業している司法書士と事務所勤務している司法書士では収入の形態が全く違うため、まとめて平均を出してもなんの参考にもならないのです。

開業している司法書士は経営者、事務所勤務している司法書士はサラリーマンですからね。

それでは、開業と勤務を分けてどのくらい年収があるのかを見ていきましょう。

司法書士の年収【独立開業の男性・女性別】

司法書士の年収を信頼できるデータ(司法書士白書)から調べました。

独立開業している男性司法書士の所得金額は以下のとおり。(有効回答数1,378)

開業司法書士の所得金額(男性)

一方、女性司法書士の所得金額は以下のとおり。(有効回答数158)

開業司法書士の所得金額(女性)

司法書士白書では毎年年収調査をしているわけではないので、現在最新のデータは2015年版に載っているデータです。

日本司法書士会連合会:2015年版司法書士白書

あくまで任意回答のアンケートによる調査であるため以下の点は注意が必要です。

  • 司法書士全員が回答しているわけではない
  • 回答の正確性は担保されていない

そして、司法書士の年収として「確定申告書の所得金額」のデータを使いました。(売上ではありません)

そのため、事務所勤務しているけど他の収入などのため確定申告をしている司法書士がいた場合はデータに含まれてしまいますが、そこはご了承ください。

予備校がよく言う(言っていた)司法書士になれば年収1000万円!という話は少し大げさではありますが、男女共に1000万円以上稼いでいる人が10%以上いますので全くの嘘とまでは言えません。

司法書士試験に合格したら年収1000万円も狙える可能性がある。

そう思えれば、あなたに合った予備校・通信講座で司法書士試験に挑戦する価値は大いにあります。

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独立開業司法書士の年収の幅はとても広い

男女ともに年収1,000万円以上稼いでいる司法書士が10%以上いますから、上手く経営すれば年収1,000万円以上稼ぐことは十分可能と言えるでしょう。

少なくとも普通のサラリーマンで年収1,000万円を目指すよりは確率が高そうです。

独立開業したばかりは仕事がないため、年収199万円以下という人も結構多いです。

そして、男性よりも女性の方が年収199万円以下の割合が多く、女性司法書士の40.5%にもなります。

しかしこれは「女性司法書士は稼げない」ということではありません。

お客様にも同性の女性司法書士に相談したいという需要があります。

おそらく、妊娠・出産・育児といった要因で仕事をセーブしている、せざるを得ないといった事情も含まれているのではないかと思います。

自分の裁量で仕事をセーブできるのは司法書士で独立するメリットですね。

年収にはばらつきがありますが、「1-199万円」であれば中央値の100万円として、その他の項目も中央値、「1,000万円以上」は1,725万円として(根拠は後述)計算すると司法書士の平均年収はおおよそ以下のようになります。

独立開業司法書士(男性)の平均年収 595万円
独立開業司法書士(女性)の平均年収 456.75万円

一方、各回答項目内で等間隔に回答者がいると仮定すると、年収の中央値は以下のような感じ。

独立開業司法書士(男性)の年収中央値 425万円前後
独立開業司法書士(女性)の年収中央値 290万円前後

個人の感想ですが、この年収アンケートは仕事が忙しい先生ほど回答していない可能性がありそうです。

そうであれば実際の司法書士の平均年収・中央値はもっと高いのではないかと思われます。

続いて勤務司法書士の年収がどのくらいになるのかを調べてみましょう。

司法書士の年収【事務所勤務の場合】

事務所勤務の司法書士の収入は「実務経験あり」と「実務経験なし」でスタートが違うことが多いです。

客観的なデータとして、2019年末の司法書士の求人情報からデータをまとめました。

まずは、大手一般転職サイトの司法書士求人です。

  • 月給40万円以上
  • 実務経験ありなら月給35万円~60万円、未経験なら25万円~
  • 実務経験ありなら月給35万円~、未経験なら月給27万円~
  • 月給30万円~40万円

事務所勤務の場合は普通のサラリーマンと同じく、月給で決められているところがほとんどです。

  • 比較的大きい事務所が多いので、スタートの月給は高め
  • 賞与があり、司法書士会費、司法書士登録費などが事務所持ちのところも多い
  • 司法書士会費が給料に含まれている場合もある
  • 月給の上限は一番高いところでも60万円までしか確認できず

いわゆる司法書士の「過払いバブル」と言われた頃は、債務整理中心の事務所ではもっと高額な給料で求人募集をしているところもたくさんありました。

しかし、過払いバブルはもう終了していますので、現在は新人で高額な給料をもらうことは難しいと言えるでしょう。

大手一般転職サイトの求人の平均月給(下限)を計算すると32万円

よって、

大手一般転職サイトの平均年収(下限) 384万円

となります。

資格手当などが別途支給されたり、昇給したりするので実際の年収はそれよりも多くなるでしょう。

次に、私も所属している埼玉司法書士会の求人情報の2019年末時点のデータをまとめました。

未経験・未登録
20万円~ 1
22万円~ 1
25万円~ 2
26万円~ 1
27万円~ 1
実務経験あり・登録済み
24万円~ 1
28万円~ 3
30万円~ 1
実務経験の別なし
24万円~ 1
25万円~ 2
27万円~ 2
29万円~ 1

パート・アルバイト

未経験 時給1,300円~
実務経験あり 時給1,600円~
実務経験の別なし 時給1,700円~

さきほどの大手転職サイトと比べると正直低め。

事務所勤務では東京、大阪などの大都市圏の方が収入が高い傾向があります。

一方で、パート・アルバイト勤務が可能であったり、ワークライフバランスを重視して働くことも可能なところもあります。

こちらも、賞与が別にあったり、司法書士会費や登録費を事務所が負担してくれるところが多いです。もちろん、給料に含まれているところもあります。

お世辞にも給料が良いとは言えないので、独立開業するための修行という意味合いが強くなっているのではないでしょうか。

埼玉司法書士会の求人の平均月給(下限)は、約26万円となります。

よって、

埼玉の勤務司法書士の平均年収(下限) 312万円

となります。

こちらも手当や昇給があるので実際の年収はそれよりも多くなるでしょう。

司法書士の転職・求人情報の探し方

(番外編)司法過疎地で独立開業した司法書士の年収

日本司法書士会連合会では地方のいわゆる「司法過疎地」での開業支援を実施しています。

2019年度司法書士白書では司法過疎地の特集があり、その中に年収の項目もあります。

司法過疎地の司法書士の年収

日本司法書士会連合会:2019年版司法書士白書

こちらの方が年収が細かく分けられているのでリアルですね。

そして、司法過疎地の方が全体的に年収が高い傾向があります。

  • 他に頼める人がいないため、仕事が集中してくるので年収が上がる
  • 登記以外にも幅広い業務が求められるので年収が上がる

といった理由が考えられるでしょう。

司法書士の年収にこだわるのなら地方の方が稼げる可能性は高いかもしれません。

このアンケートからも各項目の中央値を基準にして平均年収、中央値を計算すると、

司法過疎地の独立開業司法書士の平均年収 688.5万円
司法過疎地の独立開業司法書士の年収中央値 482.35万円前後

ということになります。

独立開業司法書士(男性)と比べても約100万円も平均年収が多いことになりますね。

関連記事:【自宅開業】司法書士が独立開業すべき場所と探し方【レンタルオフィス】

司法書士の年収はどのくらい?まとめ

独立開業、勤務、司法過疎地などで分けた司法書士の年収をまとめると以下のとおり。

独立開業司法書士(男性)の平均年収 595万円
独立開業司法書士(女性)の平均年収 456.75万円
大手一般転職サイトの勤務司法書士平均年収(下限) 384万円
埼玉の勤務司法書士の平均年収(下限)
312万円
司法過疎地の独立開業司法書士の平均年収 688.5万円

司法書士の年収は「独立開業」と「事務所勤務」で分けて考えましょう。

そのため、「司法書士の平均年収」にはあまり意味がありません。

独立開業している司法書士は所得金額の開きが大きく、特に独立開業間もない頃は収入が低くなります。

男女問わず年収1,000万円以上稼いでいる司法書士も10%以上いますので稼げないことはありませんが、予備校が言うほど簡単に年収1,000万円稼げるわけではないです。

事務所勤務する場合は、大手転職サイトに求人を出すような儲かっている事務所であれば月給も高めな傾向があります。

また、大都市圏の方が給料は良く、地方だと給料が下がります。

特に未経験だと収入が厳しいところも多いため、独立開業のための修行と割り切ることも必要でしょう。

弁護士ほどではありませんが、司法書士も大都市圏へ集中していると言われます。

現状、事務所勤務するのであれば大都市でなければ年収は少なめと言えるでしょう。

しかし、独立開業するのであれば司法過疎地などの方が年収を稼ぐことができるかもしれません。

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記事の執筆者
司法書士
よしと

元公務員の司法書士。
司法書士は4年、行政書士は4ヵ月で合格。
現在は埼玉県で司法書士として開業中。
司法書士試験に合格して人生が変わり結婚、2児の父に。
昔はRPG→SLG→格ゲー→オンゲーと色々ゲームしてたり、動画作ったりしてました。

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