おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
司法書士になるのに何年かかるんだろう?
働きながらの兼業受験生だとどのくらい?
予備校を使わないとダメ?独学ではどのくらいだろう。
そんな疑問はありませんか?
私は司法書士試験の合格までに4年かかりました。
合格までの「勉強時間」はよく話題になりますが、人によって勉強できる環境が違うので何年かかるかは状況によって大きく違います。
そのためこの記事では、
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について説明しています。
これから勉強を始める人はもちろん、現在勉強している人がどのくらいで司法書士になれるのか、目安を知ることができ計画的に司法書士試験に臨むことができます。
働きながら司法書士になるのは高難易度だが無理じゃない
司法書士試験の難易度はとても高いらしいから、働きながら勉強しても司法書士になれないんじゃないか。
そんな不安を持つ人も多いでしょう。
実際に司法書士試験の難易度は高く、令和5年度は合格率5.19%しかありません。
しかし、司法書士試験の合格者の多くは働きながら勉強している兼業受験生です。
これは法務省が発表している合格者データ(令和3年度)からも分かります。このデータから合格者の年代をグラフにまとめると以下のとおり。
このように合格者は30代40代が多く(約66%)、働きながら勉強して合格している人が多いことが分かります。
では実際に兼業受験生・専業受験生、予備校利用・独学という条件別に、司法書士になるのに何年かかるか具体的な数字を確認していきます。
司法書士になるのに何年かかる?
毎日どのくらいの時間勉強できるのかによって司法書士になるまでの期間が変わります。
当然、専業で毎日長時間勉強できる方が短期間で司法書士に合格可能。
また、予備校と独学で勉強の効率が大きく変わりますから、予備校を使った方が短期間で司法書士に合格できるのも明らかです。
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この2つの基準で必要勉強時間(3,000時間~4,000時間)から、司法書士になるには何年かかるのか算出してみると以下のような結果になります。
勉強形態 | 1日の平均勉強時間 | 合格までの勉強期間 |
専業受験+予備校 | 1日8時間 | 約1年1ヶ月 |
1日6時間 | 約1年5ヶ月 | |
専業受験+独学 | 1日8時間 | 約1年5ヶ月 |
1日6時間 | 約1年10ヶ月 | |
勉強形態 | 1週間の平均勉強時間 | 合格までの勉強期間 |
働きながら+予備校 | 1週30時間 | 約1年11ヶ月 |
1週20時間 | 約2年11ヶ月 | |
働きながら+独学 | 1週30時間 | 約2年7ヶ月 |
1週20時間 | 約3年10ヶ月 |
このように司法書士に1年で合格しようと思ったら、予備校を活用しつつ1日8時間以上の勉強が必要です。一発合格がいかに難易度が高いかが分かりますね。
これらの勉強方法の内容がどういったものなのか、どのような計算で合格までの勉強期間が計算されているかについて、ケース別に詳細を説明していきますね。
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【専業受験生】が司法書士になるのに何年かかるか
まず司法書士の勉強に専念することができるケースです。専業受験は1日の勉強時間を長くすることができます。
そこで専業受験を以下の2つのパターンに分けました。
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正直なところ、毎日平均8時間勉強を維持するのは至難の業です。
1日だけなら8時間勉強も可能ですが、3日継続、3週間継続、3ヶ月継続…と長くなるにつれて難易度は高くなります。
実際のところ、1日8時間勉強のケースは現実味の薄い理想形だと思っておいた方が良いです。
現実には「専業受験でかなり頑張っている人」でも1日平均6時間勉強くらいになると思います。
専業で1日8時間勉強できる場合
予備校を利用する場合と、独学で勉強する場合の2パターンについて見ていきます。
1日8時間勉強+予備校なら375日(1年1ヶ月)
予備校を使う場合は世間でよく言われる3,000時間で司法書士に合格すると仮定します。
毎日8時間勉強を続けるなら、3,000時間勉強するまでは
3,000 ÷ 8 = 375 |
なので375日勉強を続ければ3,000時間勉強できることになります。
数日だけ勉強ができなかったとしてもおよそ1年1ヶ月勉強すれば合格に必要な勉強時間に達します。
1日8時間勉強+独学なら500日(1年5ヶ月)
独学の場合は予備校で講義を受けるよりも最初の理解が遅れる分、+1,000時間して4,000時間で司法書士に合格すると仮定します。
毎日8時間勉強であれば、4,000時間勉強するまでは
4,000 ÷ 8 = 500 |
なので500日勉強を続ければ4,000時間達成です。
1年と135日ですから、数日だけ勉強しない日があればおよそ1年5ヶ月かかることになります。
1年半近く独学で毎日8時間勉強を続けられるってある意味並大抵の人では無いような気がしますけど。
独学するのであれば、独学向きのテキスト・過去問を用意して事前にスケジュールを立てて計画的に勉強していきましょう。
専業で1日6時間勉強する場合
専業受験であっても勉強し続けることは難しく、毎日8時間勉強は現実的ではないため、1日平均6時間勉強できたケースを考えていきます。
1日6時間勉強+予備校なら500日(1年5ヶ月)
合格までに3,000時間勉強が必要で、1日6時間勉強していくとすると、
3,000 ÷ 6 = 500 |
なので500日勉強を続ければ3,000時間勉強ができます。
これも勉強期間はおよそ1年5ヶ月ですね。
この1年5ヶ月という期間に近いものとして予備校の初学者向け講座があります。
予備校も私と同じような計算の結果として1.5年~20ヶ月ほどの期間の初学者向け講座を開講しているのかなぁとも思います。
各予備校がよく宣伝材料にする「一発合格者」を出す定番の勉強スタイルなのかもしれません。
1日6時間勉強+独学なら667日(1年10ヶ月)
1日6時間勉強で独学4,000時間を達成するには、
4,000 ÷ 6 ≒ 667 |
なので667日かかります。
1年と302日ですからおよそ1年10ヶ月くらいかかることになります。
少し休んでしまう日もあれば約2年くらいかかりそうです。
独学で毎日6時間勉強を2年続けるのもかなり厳しいかなと思います。
【働きながら】司法書士になるのに何年かかるか
働きながら勉強するなら仕事をしている日と休日で勉強できる時間が変わります。
そのため、週休2日という前提で考えて以下の2つのケースを考えます。
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平日は3時間、休日は8時間の勉強を続けるのは専業受験の毎日8時間勉強と同じく、現実には難しい働きながら勉強の理想形です。
実際には仕事の疲れもありますから、とても頑張っている人でも平日2時間、休日5時間くらいになるのではないかと思います。
働きながら1週30時間勉強できる場合
働きながら勉強する場合も、予備校利用と独学の2パターンに分けて考えていきます。
1週30時間勉強+予備校なら100週間(1年11ヶ月)
予備校利用の勉強時間が3,000時間で1週間30時間勉強すると、
3,000 ÷ 30 = 100 |
3,000時間勉強するのに100週間かかることになります。
100週間=700日ですから、およそ1年11ヶ月です。
初学者向けの20ヶ月コースが期間的には一番近いものになります。
1週30時間勉強+独学なら133週間(2年7ヶ月)
独学で合格するのに必要な勉強時間が4,000時間で1週間30時間勉強すると、
4,000 ÷ 30 ≒ 133 |
独学4,000時間を達成するには133週間ですから、931日くらいかかるわけですね。
2年と201日なので、およそ2年7ヶ月くらいかかることになります。
勉強を始める前に自分の趣味にかけていた時間以上の時間を2年半以上毎日費やすことになるのでストレスが半端なさそうです。
それでもやらなくちゃいけない!という理由があるのであれば、気合以外に勉強を続けられる合理的な根拠が欲しいですね。
働きながら1週20時間勉強する場合
働きながら勉強するなら、平日2時間、休日5時間ならかなり頑張っている方です。
現実的には週20時間くらいで計画を立てたほうが良いでしょう。
こちらも予備校利用と独学の2パターンについて計算します。
1週20時間+予備校なら150週間(2年11ヶ月)
予備校を利用して勉強時間3,000時間を超えるには、1週間20時間勉強だと
3,000 ÷ 20 = 150 |
なので150週間かかります。
つまり、1050日ということですね。
これは2年と320日ですから、およそ2年11ヶ月くらい勉強期間が必要ということになります。
司法書士合格まで、予備校を使っても働きながらだと3年くらいかかるわけですね。
働きながらでの司法書士短期合格者が少ないことからしても、合格までまず3年かかるという計算結果は妥当なところでしょう。
この場合、数年予備校・通信講座を利用するために費用やコスパを考えて講座選びをしたいところです。
1週20時間+独学なら200週間(3年10ヶ月)
独学で必要な勉強4,000時間を満たすためには、1週間20時間勉強だと
4,000 ÷ 20 = 200 |
なので200週間。1400日必要です。
これは3年と305日となるので、およそ3年10ヶ月くらいの期間がかかることになりますね。
独学で平日2時間休日5時間の勉強を4年近く続けていると、
どうして私はこんな勉強を続けているんだろう?
という気分になってくるような気がします。
毎日の勉強時間を増やすのも大変ですが、勉強期間が長くなりすぎるのも負担が大きいです。
勉強期間が長くなる場合の注意点
働きながらや独学であっても勉強時間を地道に積み重ねて司法書士に合格することは可能です。
しかし、勉強期間が長くなるほど、3,000時間や4,000時間よりももっと合格までの時間が増える可能性が高まります。
なぜなら、勉強期間が長いほど人間は勉強したことを忘れていってしまうからです。
独学で少しずつでも勉強していきたい。
そんな風に考えていると、覚える量より忘れる量が多くなり、10回受験しても司法書士になれないなんてことも十分ありえます。
司法書士試験に合格するためには、
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という勉強方法が有利。
よく世間でもてはやされる「一発合格者」や「短期合格者」の合格体験記を読むと合格前には必ず長時間勉強しているはずです。
実際に私が4年かけて合格したときも最後の1年は今までと比べて勉強時間が増え、1日3時間から6時間くらいまで増えました
少しずつでも勉強できれば良いやと思わず、短期間で合格するつもりで長時間勉強する必死さがあれば司法書士合格は近づいてきますよ。
【参考】行政書士の合格には何年かかる?
司法書士は何年もかかるのでちょっと自分には厳しそう…
そう思った人は行政書士になるという選択肢もあります。行政書士であれば初学者が予備校を利用しておよそ600時間、独学なら1,000時間くらいで合格レベルになるため、働きながら勉強する場合でも1年くらいで合格可能です。
勉強形態 | 1日の平均勉強時間 | 合格までの勉強期間 |
専業+予備校 | 1日8時間 | 約2ヶ月半 |
1日6時間 | 約3ヶ月半 | |
専業+独学 | 1日8時間 | 約4ヶ月半 |
1日6時間 | 約5ヶ月半 | |
勉強形態 | 1週間の平均勉強時間 | 合格までの勉強期間 |
働きながら+予備校 | 1週30時間 | 約4ヶ月半 |
1週20時間 | 約7ヶ月 | |
働きながら+独学 | 1週30時間 | 約8ヶ月 |
1週20時間 | 約11ヶ月半 |
働きながらだと平日は勉強できそうにない、休日にまとめて勉強するつもり。
という人も、土日で合わせて10時間勉強すれば1~2年で必要な勉強時間はクリアできます。平日の隙間時間も活用して勉強できれば1年未満での合格も狙えるでしょう。
そのためにはあなたの環境に合った勉強スタイルで学べる講座を活用するのがおすすめです。
短時間でも学びやすいよう1講義の時間や学習ツール、サポート制度や評判を比較して選ぶのが失敗しないコツです。
司法書士になるには何年かかる?まとめ
司法書士になるのに何年かかるかは、普段どれだけ勉強できるかによって大きく違います。
専業受験生と働きながら勉強、予備校利用と独学で勉強期間を計算した結果は以下のとおりです。
勉強形態 | 1日の平均勉強時間 | 合格までの勉強期間 |
専業受験+予備校 | 1日8時間 | 約1年1ヶ月 |
1日6時間 | 約1年5ヶ月 | |
専業受験+独学 | 1日8時間 | 約1年5ヶ月 |
1日6時間 | 約1年10ヶ月 | |
勉強形態 | 1週間の平均勉強時間 | 合格までの勉強期間 |
働きながら+予備校 | 1週30時間 | 約1年11ヶ月 |
1週20時間 | 約2年11ヶ月 | |
働きながら+独学 | 1週30時間 | 約2年7ヶ月 |
1週20時間 | 約3年10ヶ月 |
実際には「1日8時間」や「1週30時間」という勉強を続けていくのは大変難しいです。
しかし、人間は時間が経つほど忘れてしまう生物ですからなるべく短期間に集中して勉強する方が司法書士試験には合格しやすいですよ。
上記のケースのうちで、私が現実味があると考えるのは以下の2つの勉強方法です。
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独学だと専業受験最短でも1年5ヶ月くらいはかかるので、毎日モチベーションを保つのが難しいと思います。
予備校を使うと最低でも講義を消化しなければならないという気分になるため、半強制的に勉強ができますし、予備校の自習室が利用できれば勉強も続けやすくなるのも利点。
兼業受験生は合格までかなり時間がかかりますが、体を壊さずに勉強を続けていくためには1週間あたり平均20時間くらいが現実的です。
厚生労働省の定める残業時間の上限は月45時間・年360時間(特別の事情があっても月80時間、年720時間以内)ですから、1週間あたり20時間でも余裕で上回っています。
それ以上の勉強を数年続けるのが当たり前という計画は無謀だと分かりますよね。
司法書士試験に合格しなければ司法書士の仕事はできません。
しかし、あなたにとって司法書士合格はゴールではなく通過点のはずです。
合格後のあなたの人生のためにも合理的な計画を立てて勉強するようにしましょう!