おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
司法書士に独学一発合格したい!
司法書士に独学一発合格した人はどのくらいいる?
どうやって勉強すれば独学でも一発合格できる?
そんな風に思いませんか?
私は4年間予備校に通いながら勉強して司法書士試験に合格しています。
司法書士試験は難しいですが、独学で一発合格することはできるのか。
独学一発合格が現実的に不可能だったら、時間を無駄にしてしまうだけでなく2年目以降の司法書士合格が遠のいてしまう可能性も。
そのためこの記事では、私の合格経験と合格者データに基づき
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といった点について説明していきます。
次善の策として
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についても解説。
この記事を読むことで、
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が分かり、時間を無駄にせず着実に司法書士合格を目指せるようになります。
独学の合格者は非常に少なく合格の再現性も高くありません。あなたが一発合格、あるいは短期合格を目指すなら最初から予備校・通信講座を使うことをおすすめします。
ここからは予備校を使いながら4回目の司法書士試験で合格した私が、実際の合格者のデータや合格に必要な知識量などを基にして解説していきます。
【結論】司法書士に独学で一発合格する勉強法
まず結論から言っておきます。
司法書士に独学で一発合格するためには、1年間(365日)毎日11時間勉強が必要です。
司法書士試験で【働きながら半年】で合格するコツ・勉強法を解説
独学の勉強方法を間違えなければ、これだけ勉強すればそこそこ安定して司法書士試験に合格することができるでしょう。
実際に独学で一発合格した人はもっと勉強時間短いんじゃないの?
と言われれば、おそらくそのとおりです。
勉強時間がもっと短くても、その年の出題とあなたの知識が上手く噛み合えば十分に合格可能です。
つまり、もっと短い勉強時間で合格できるかどうかは運任せの要素が強くなるので「一発合格できるよ!」とは言えないのです。
なんで毎日11時間勉強なんてとんでもない数字が出てくるのか、実際の試験の合格者のデータや、必要な勉強時間から説明をしていきます。
司法書士に独学で一発合格するのは無理に近い
司法書士に独学で一発合格したい!
できるならそれが一番良いですよね。
では、実際問題として「独学で一発合格」は可能なんでしょうか?
答えは、
「可能性は0ではないけど無理に近い」
というのが私の結論です。
この結論はある程度実際のデータに基づいています。
その実際のデータを交えながら、具体的にどのくらいの人が独学一発合格をしているのかを計算していきます。
独学で合格する人はどのくらいか
データから推測も交えて割合を計算していますが、細かい計算に興味のない方は、計算結果だけを見てください。
まずは一発合格については一旦置いておき、独学で司法書士に合格した人がどのくらいいるかについてです。
私が合格した年に新人研修で名刺交換をした人の中に、実際に独学で司法書士に合格した人がいました。
同じ割合で合格者中に独学合格者がいたと仮定すると、独学で司法書士に合格する人の割合は以下のように計算できます。
独学で司法書士に合格する人の割合について |
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独学合格者の割合 (新人研修で名刺交換した人の中で) |
約1.6% |
独学合格者の割合 (司法書士合格者の中で) |
↑と同じ約1.6%と仮定 |
独学合格者の割合 (司法書士受験者の中で) (=合格率 × 1.6%) |
約0.063% (1万人に6人ほど) |
私が会った合格者に偏りがあったとして、 大甘に5倍は独学合格者がいたと仮定した場合 |
約0.3% (1万人に31人ほど) |
私が実際に会ったことのある独学合格者をベースに計算すると独学合格者の割合は0.063%しかいません。とんでもないハードルの高さ。
名刺交換時に「独学であったこと」をカミングアウトしてなかった人もいる可能性があるので、大甘に甘く見てその5倍は独学合格者がいたとしても、実受験者数の中の独学合格者の割合は0.3%にしかなりません。
これでも1,000人に3人しかいないことになります。
独学で司法書士に合格するだけでもめっちゃハードルが高い、という計算結果になりました。
一発合格する人はどのくらいか
一方、今度は独学を一旦置いておき、司法書士に一発合格する人がどのくらいいるのかについてです。
一発合格については独学よりも信憑性の高いデータを使うことができます。
大手予備校LECの2015年口述模擬試験アンケートと、その年の司法書士試験の合格率から計算します。
司法書士に一発合格する人の割合について |
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一発合格者の割合 (司法書士合格者の中で) |
3.1%(LECのアンケート結果) |
一発合格者の割合 (司法書士受験者の中で) (=合格率 × 3.1%) |
約0.13% (1万人に13人ほど) |
合格者のうち一発合格者は3.1%というアンケート結果でした。
2015年の司法書士試験の合格率と合わせて計算すると、司法書士受験者数の中で一発合格者の割合は0.13%になります。
つまり、一発合格は1,000人に1人ほどしかいないことになります。
司法書士に一発合格するだけでもやはりめっちゃハードルが高い、という計算結果ですね。
つまり、独学で司法書士に一発合格する人はどのくらい?
では、本題の司法書士に独学で一発合格する人はどのくらいいるのかについてです。
一般的に独学よりも予備校の方が勉強効率が良いため、合格者全体よりも一発合格者の方が独学者がいる割合は少ないでしょう。
しかし、そこは少し甘めにどちらも等しい割合で独学者がいると仮定して計算します。
独学で司法書士に一発合格する人の割合 (司法書士受験者の中で) |
約0.00208% (10万人に2人くらい) |
甘々に甘い仮定を積み重ねた結果でようやく「司法書士受験者10万人の中で独学で一発合格した人が2人いれば良いほう」という計算結果になりました。
直近の2022年の司法書士試験の受験者数が12,727人ですから、2022年は独学で一発合格した人は計算上0.26人。
独学一発合格者が1人いる可能性があるかもしれないぐらいのレベル。
おそらく独学一発合格者は0人だったのではないかと予想されます。
甘く見積もったり、甘い仮定を積み重ねた計算結果ですが、独学での一発合格者は毎年1人いれば良い方というのはそんなに現実とかけ離れた計算結果ではないと思います。
司法書士に独学で一発合格する勉強法の詳細
それでも私は司法書士に独学で一発合格したいんだ!
という人のために、どのくらい勉強すれば独学一発合格の可能性が出てくるのか計算してみましょう。
一般的に司法書士の合格に必要な勉強時間は3,000時間と言われます。
しかし、合格者の大半が予備校利用者であることから独学の場合には最初の理解に時間がかかる分+1,000時間で、独学では勉強時間が最低でも4,000時間必要だと私は考えています。
独学で合格するには勉強が4000時間は必要だとすると毎日の勉強時間は以下のとおり。
1年(12か月)で4,000時間勉強するには | 毎日休まず11時間勉強 |
1年3か月(15か月)で4,000時間勉強するには | 毎日休まず8.7時間勉強 |
この「毎日休まず11時間勉強」がこの記事の最初にも書いた、司法書士試験に独学で一発合格するための最低限の勉強時間です。
お試し受験をしても一発合格!という主張を認めて1年3か月の勉強期間があるとすれば、休み無く毎日9時間近い勉強を続ければ独学で一発合格できる可能性があります。
完全に司法書士試験だけに専念できる受験生でなければ挑戦することすらできないレベルの勉強法になるでしょう。
つまり、司法書士を独学で一発合格するのは現実的にほぼ無理です!
とだけ言って終わってしまっては元も子もないので、次善の策として「一発合格を捨てて独学で合格」「独学を捨てて一発合格」するための勉強法を考えていきます。
次善の策1:独学で司法書士に合格する勉強法
まずは、一発合格を捨てて「独学で司法書士に合格する場合」です。
勉強時間は司法書士試験に専念できる人でも頑張って毎日6時間、仕事で忙しい社会人は頑張って平日2時間休日5時間で週20時間が現実的なところでしょう。
さきほどの合格に必要な4,000時間の勉強時間を達成するためには、
(専業受験生)毎日6時間勉強で | 約1年10か月 |
(社会人受験生)週20時間勉強で | 約3年10か月 |
それぞれこのくらい毎日勉強を続ける必要があります。
毎日休まずに続けるのは非常に大変なのでほとんどの人が途中で脱落していきます。
だから、司法書士の合格者に独学合格者は少ないのです。
次善の策2:司法書士に一発合格する勉強法
次に、独学を捨てて予備校を使いながら「司法書士に一発合格する場合」です。
合格に必要な勉強時間3,000時間を達成するには、さきほどと同じように専念できる人は毎日6時間、社会人は週20時間として計算すると、
(専業受験生)毎日6時間勉強で | 約1年5か月 |
(社会人受験生)週20時間勉強で | 約2年11か月 |
となるので、このペースでは一発合格はできません。
そこで、
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この3つをそろえて、専業で毎日8時間、社会人が平日3時間休日9時間で週30時間の勉強ができたと仮定すると、
(専業受験生)毎日8時間勉強で | 約1年1か月 |
(社会人受験生)週30時間勉強で | 約1年11か月 |
となります。
つまり、仕事をしながらの社会人受験生が一発合格(およそ1年勉強で合格)するには、必死の勉強をしてもあと1年時間が足りません。
専業受験生であれば1年以上毎日8時間勉強を続けられれば可能なライン。
実際に、予備校が宣伝材料としてよく使う「一発合格者の話」を見るとその多くは1年より少し長いコースで毎日8時間以上勉強したと書かれていることがほとんど。
LEC:2019年度合格者(お試し受験1回を合わせて2回で合格、1日9時間勉強)
あなたが司法書士に一発合格したいのであれば、予備校を使いながら最低でも毎日8時間以上勉強する必要があります。
社会人が勉強時間を増やす方法
社会人が司法書士試験に「一発合格」するのは不可能に近いです。
しかし、「独学合格」であれば目指せます。
「独学合格」を目指すなら、週20時間以上勉強できるようになりましょう。
週20時間~30時間勉強するには、平日にも2時間~3時間勉強する必要がありますが、これがなかなか大変です。
司法書士試験を目指す社会人が平日に勉強時間2時間~3時間を確保するコツは「出勤前」「通勤時間」「休憩時間」「家事時間」などの隙間時間を上手く勉強に充てること。
実際に隙間時間でどうやって効率よく勉強していくのかを説明していきます。
出勤前の試験勉強
朝出勤前の時間には新しいことを勉強するようにしましょう。
中上級者の方であれば、昨日まで勉強した内容の次の内容について勉強しましょう。
朝は
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といったメリットがあるため、新しいことを勉強するのに適しています。
通勤中の試験勉強
電車通勤であれば暗記や復習を中心に勉強し、自転車・自動車通勤や満員電車など制限がかかる場合であれば音声学習を中心に勉強しましょう。
通勤中は
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という特徴があるので、復習に使うのがベター。
座席に座れたのであれば、復習をするほか体が疲れているのなら少し睡眠をとるのもアリ。
通信講座であれば移動中に音声講義が聴けるのでおすすめです。
休憩中の試験勉強
仕事の合間の休憩や、昼休みなどには過去問などの問題演習を中心に解くのがおすすめです。
今はスマホアプリで過去問を解くことが可能なので、仕事の合間でもスマホ1つで勉強できるのも利点です。
スマホだけでテキスト・講義・過去問がすべて利用できる通信講座スタディングを使うのも手。
昼休みはある程度時間があるためしっかり勉強できるチャンスですが、疲れているのであれば仮眠をとっておくのも1つの手です。
家事中の試験勉強
家事をしている最中には音声講義を流して復習するようにしましょう。
勉強した内容を長期記憶に残すためには、繰り返した回数と繰り返した頻度がポイントとなります。
通信講座の音声講義を活用して、家事の時間も勉強時間に変えていきましょう。
社会人が働きながら勉強する裏ワザ
社会人が働きながら勉強をするために、司法書士事務所の補助者を仕事にしてしまうという裏ワザもあります。
司法書士試験の内容は実務に近いと言われますが、違う部分ももちろんあります。
補助者として働くことが司法書士試験にプラスに働く人もいれば、マイナスになる人もいるので万人におすすめできる方法ではないのはご注意ください。
補助者が受験には意味ないとかよく聞くけど、自分は補助者やってなかったらもう司法書士試験やってなかったと思ってるので意味はあったかなって思ってる。だって試験問題無味乾燥すぎて辛いもん。実務でやったことが引っかかりになったりして勉強進むこともあるし。つまりは自分に合ってるのが1番。
— チャマ (@chama_suro) April 1, 2020
司法書士と補助者の転職&求人情報を探す8つの方法【未経験でも】
独学で司法書士に一発合格した人と勉強法まとめ
独学で司法書士に一発合格することはかなり不可能に近いです。
現実に独学で一発合格している人は運にも恵まれているでしょう。
私の経験やデータを基に計算した「独学」「一発合格」の割合は以下のとおり。
独学 + 一発合格 |
約0.00208%(大甘に見積もって) (10万人に2人くらい) |
独学 で合格 |
約0.3%(大甘に見積もって) (1万人に31人ほど) |
一発合格 |
約0.13% (1万人に13人ほど) |
独学で一発合格できる人は、毎年1人いるかいないかレベルです。
必要な毎日の勉強時間を計算すると以下のとおり。
独学 + 一発合格 を1年で目指す | 毎日 約11時間勉強 |
独学 で合格を約2年で目指す | 毎日 約6時間勉強(専業) |
独学 で合格を約4年で目指す | 毎週 約20時間勉強(社会人) |
一発合格 (予備校利用)を1年で目指す | 毎日 約8時間勉強(専業) |
フルタイムで働く社会人は、週30時間勉強できても一発合格には足りない |
なんとも夢のない結果ですが、司法書士試験自体は十分に合格可能な試験です。
予備校を使って3年以上かけて合格を目指すのであればこんなにストイックに頑張らなくても全然可能。
時間と費用のバランスが取れた講座を選ぶのがポイントです。
さきほどのLECのアンケートでも合格者の中で一番多いのは受験回数3回。
無理のない目標を立てて勉強を積み重ね、司法書士試験に計画的に合格しましょう!