おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
司法書士に合格した後の流れはどんな感じ?
新人研修は働きながらでも受けられる?
事務所は新人研修が終わってから探した方が良い?
司法書士事務所に勤めようと思っていない場合はどうしたら良いの?
そんな風に思っていませんか?
この記事では司法書士合格後の流れについて以下の内容を説明します。
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私自身は4年かけて司法書士試験に合格して司法書士事務所を探したり、新人研修や認定考査を受けてきました。
また、同期合格者の中には司法書士事務所に勤めなかった人もいます。
そういった様々な経験を元に、あなたの今後の方針に応じた司法書士合格後の流れについて説明していきます。
司法書士合格後の一般的なスケジュール
合格した後の手続きは、どれも必須ではありません。
しかし、有用なものが多いのでできるだけ参加したほうが良いでしょう。
合格した後の手続きの詳細については以下の記事で解説しています。
司法書士試験 合格証書授与
試験の最終合格発表があると、11月中旬~下旬ごろ地方ごとに法務局で合格証書授与があります。
この時に「新人研修・特別研修の案内、申込方法」や「司法書士登録の方法」が書かれた資料を受け取ります。
合格証書授与は出席必須ではありません。
授与式に参加できない場合、書類は郵送で送られてきます。
新人研修
12月ごろから新人研修が始まり、業務に役立つ知識を色々と覚えることができます。
新人研修には主催がそれぞれ違う以下のようなものがあります。
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配属研修は実際に配属先事務所で実務をする研修です。
司法書士会研修のオプションとして申込み可能な場合もあれば、司法書士会によっては司法書士登録のために配属研修を必須としていることもあるので所属したい司法書士会に確認しておきましょう。
新人研修では合格者同士で大量の名刺交換をするのが定番ですので、しっかり記憶に残る名刺を作っておきましょう。
関連記事:「司法書士新人研修の名刺のおすすめの作り方【印象アップ】」 |
特別研修・簡裁訴訟代理能力等認定考査
司法書士は簡裁訴訟代理能力等認定考査に合格することで、一部の裁判業務を行うことができるようになります。
簡裁訴訟代理能力等認定考査を受けるためには、特別研修を修了する必要があります。
特別研修は通常5月~7月下旬にかけて行われます。
裁判業務として訴状を作成したりなど本格的な研修です。
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※上記は2019年10月の消費増税前の研修費用ですので、これから研修を受講する場合は少し費用が異なる可能性があります。
認定考査は9月第2日曜日に試験が行われます。
それまで勉強は必要ですが、司法書士試験に合格することに比べれば全然簡単ですよ。
司法書士登録
司法書士になるには司法書士試験に合格するだけではダメです。
新人研修を受けても司法書士になったわけではありません。
司法書士になるには試験合格後に各司法書士会に司法書士登録をする必要があります。
登録費用など数万円がかかりますが、登録手続きさえすればあなたは晴れて司法書士です!
司法書士登録をする時期は決まっていないので、合格後すぐに登録しても良いですし、どこかの事務所で働いて数年後に登録する人もいます。
中には司法書士試験に合格して司法試験を目指すために登録をしない人も…。
司法書士試験に合格しなくても補助者として働くことはできます。
補助者として実務に触れながら司法書士の勉強をする人も多くいますよ。
司法書士の新人研修は来年ではダメ?
新人研修への参加は義務ではないため、受けなかったり、来年に受けるといったことも可能。
しかし、すぐに新人研修を受けると以下のようなメリットがあります。
司法書士合格後すぐに新人研修を受けた方が良い理由 |
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基本的には合格した年にすぐに新人研修を受けるのがおすすめです。
例外として、司法書士登録をして司法書士として仕事をする予定がない人(予備試験を目指す人など)であれば新人研修を受けずに試験勉強をするのもアリ。
登録予定がない人でも同期合格者の知り合いを作るために参加しても良いですよ。
新人研修はいくつかの種類に分かれており、翌年9月の認定考査やその前提となる特別研修なども含めると以下のような費用がかかります。
費用 |
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中央新人研修 | 44,000円 |
ブロック新人研修 | 33,000円 |
司法書士会新人研修 | 0円~33,000円前後 |
特別研修 | 145,000円前後 |
認定考査 | 10,900円 |
これらを合計すると232,900円となります。
やっと試験に合格したところでもそんな費用は払えない…来年までお金を貯めようかな
という人は司法書士の新人研修のための貸付制度が利用できるかもしれません。
日司連研修総合ポータル:「司法書士研修費用専用ローン」のご案内
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新人研修は働きながらでも受けられる?
仕事をしているのだけど、働きながらでも司法書士の新人研修は受けられる?
有給休暇などの休みが取れれば働きながらでも大半の新人研修は受講可能です。
しかし、配属研修と特別研修は働きながらの受講は厳しいです。
中央新人研修は映像講義配信であり、研修期間中であれば任意のタイミングで視聴できるため、働きながらでも受講可能です。
ブロック新人研修は1週間ちょっと連続で実施されますので、その間だけ休みが取れれば受講可能。
各都道府県の司法書士会新人研修は、内容が司法書士会によって違うため要問い合わせ。
配属研修は、数週間フルタイムで事務所勤務をすることになるため、働きながらの参加はほぼ不可能でしょう。
特別研修も平日に拘束されるうえに遅刻厳禁なため、働きながら受講するのは厳しいです。
司法書士事務所に勤務しているのであれば、研修時は仕事を休んで研修参加できるケースが多いです。
合格後にすぐ就活する場合は、面接時に研修に参加したい旨は伝えておきましょう。
司法書士事務所の求人を探す時期
司法書士に合格したら事務所の求人はいつ頃から探せば良いの?
という疑問がある人も多いでしょう。
現在のあなたの仕事や、今後の予定によってベストなタイミングは異なりますが、基本的に司法書士・補助者の求人情報探しは早ければ早いほど良いです。
司法書士・補助者の求人情報探しは早ければ早いほど良い理由は以下のとおり。
司法書士・補助者の求人探しが早いほど良い理由 |
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そのため、今すぐにと考えていない場合でも転職エージェントにだけは登録しておき、最低限の転職活動はしておくのがおすすめです。
【タイプ別】司法書士合格後の流れ
司法書士合格後は新人研修を受け、事務所に勤め、認定考査を受けるのが定番の流れです。
しかし、司法書士として勤めるだけが合格者の進路ではありません。
そこで、以下のようなタイプ別に司法書士合格後の流れについて説明していきます。
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司法書士・補助者として勤める場合
司法書士や補助者として勤めようと思っている人の、司法書士合格後の基本的な流れは以下のとおり。
11月 |
(行政書士試験) |
12月~3月 |
新人研修 |
5月~7月 |
特別研修・認定考査の勉強 |
9月 | 認定考査 |
11月の行政書士試験など、他の資格試験を受ける人も数多くいますが、これは必須ではありません。
合格後は研修や勉強と平行しながら勤める事務所を探すのが定番。
事務所が決まったら、事務所に勤めながら研修や勉強をすることになります。
司法書士試験では勉強に専念していた人は早めに事務所を決められると収入面が安定しやすいでしょう。
即独立開業を目指す場合
司法書士に合格後は即独立したい!と考えている場合には、基本的に以下のような流れになります。
11月 | 独立の準備・リサーチ |
12月~3月 |
新人研修・配属研修 |
5月~7月 |
特別研修・認定考査の勉強 |
9月 | 認定考査 |
独立する場合は新人研修に加えて配属研修も必ず受けておきましょう。
事務所に勤めて実務を学べない分、新人研修や配属研修で実務を知っておくことが重要になります。
新人研修の中には先輩方による「補助者として勤めて独立するまで」「即独立をした経験談」など、独立に役立つ話が含まれているのが定番ですのでそれも参考になるはずです。
特別研修では司法書士試験の勉強よりもかなり実務的な裁判手続きの流れが学べるので、独立しようと考えているならば必須。
独立するためには研修と平行して独立する場所の調査、事務所などの賃貸物件の準備や事業計画書の作成などやることがたくさんあります。
研修と独立準備以外にはなかなか時間を割けなくなるでしょう。
他資格の取得(ダブルライセンス)を目指す場合
行政書士、宅建士など司法書士合格後に受けやすい資格を目指すのであれば特別な流れにはなりませんので、新人研修と試験勉強を並行すればOK。
しかし、司法試験予備試験、中小企業診断士試験、税理士試験など引き続き高難易度でかなりの勉強が必要な資格を目指す場合には司法書士合格後の流れは一般的なものとか異なり試験勉強に集中する必要があります。
11月~ | 試験勉強 |
1年かけて中小企業診断士の勉強をして、それから司法書士の新人研修も受けて独立、なんて流れにすることもできます。
また、将来司法書士業務をするために司法書士事務所に短時間勤務しながら資格の勉強をするという手もあります。
司法書士試験合格者であれば司法書士事務所にかなり採用されやすいので、勉強しやすい環境で働きながら合格を目指すのも良いでしょう。
司法書士から弁護士(予備試験)を目指す場合
司法書士はあくまでステップに過ぎず、弁護士・司法試験予備試験を目指すのであれば新人研修や特別研修を受けずに勉強に専念しても良いでしょう。
予備試験を受けようか迷っている人は、とりあえず特別研修を受けて訴訟代理業務についての知識と経験を深めてみるのも良いです。
私の同期合格者にも、特別研修中に「やっぱり弁護士になりたい!予備試験の勉強をする!」と言い出す人が結構いました。
司法書士試験合格者であれば、勉強習慣が身についているので予備試験も同じようなペースで勉強できれば合格を狙うことは可能。
司法書士試験の知識は予備試験の短答式試験には役立つ部分もありますが、論文式試験はしっかりと対策をする必要があります。
何年もかけた長期計画で予備試験合格を目指すのでなければ、予備校を使って勉強したほうがベター。
今すぐではないけど将来的には司法書士業務もしたい
と考えているのであれば、来年以降に新人研修を受けてもOKです。
一般企業の法務部門を目指す場合
司法書士や補助者として働くのではなく、一般企業の法務部門で働きたいと考えている場合の合格後の流れは以下のようになります。
11月 | (法務部門への転職活動) |
12月~3月 |
(新人研修) |
5月~7月 |
特別研修・認定考査の勉強 |
9月 | 認定考査 |
一般企業の法務部門へ勤める場合には、特別研修へのフル参加が難しくなる場合があります。
そのため、法務部門への転職活動は特別研修が終わってから始めても良いです。
新人研修は受けても受けなくても良いですが、特別研修と認定考査は受けておいた方が良いでしょう。
なぜなら、特別研修では具体的な民事訴訟手続きについて学べるため法務部門でも大いに役立つ内容だからです。
会社の法務部門への転職活動では、管理部門に強い転職エージェントを使うと、費用をかけずにより多くの求人情報を探すことができますよ。
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司法書士合格後の流れまとめ
司法書士合格後の新人研修をすぐに受けておくと良い理由には以下のようなものがあります。
司法書士合格後すぐに新人研修を受けた方が良い理由 |
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新人研修と特別研修を受けるだけでも約24万円の費用がかかりますが、研修費用専用ローンもありますので早めに受けておくのがおすすめ。
また、司法書士や補助者として事務所に勤めようと考えているのであれば、早めに転職活動を始めた方が良いです。
その理由は以下のとおり。
司法書士・補助者の求人探しが早いほど良い理由 |
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司法書士合格後の基本的な流れは以下のようになります。
11月 |
(行政書士試験) |
12月~3月 |
新人研修 |
5月~7月 |
特別研修・認定考査の勉強 |
9月 | 認定考査 |
しかし、
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などの場合には必ずしもこの限りではありません。
司法書士業務をするつもりがないのであれば、新人研修は受けなくても良いのであなたの今後の人生プランに合わせて取捨選択をしましょう。