おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
司法書士はオワコン?
それともまだまだ活躍できる?
司法書士は、不動産登記や会社設立などの登記手続き、成年後見や相続などの法律相談やコンサルティングなどを行います。
しかし、近年はAIや人口減少などの影響により、司法書士の将来性について、オワコンや将来性なしなどの声も。
仕事が無くなるのではないかと不安を抱いている司法書士受験生や、司法書士の将来を気にしている人も多いのではないでしょうか。
そのためこの記事では
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について、データや所感を交えながら現役の司法書士が解説します。
結論から申し上げますと、司法書士はまだオワコンではなく、将来は明るいと考えられます。
司法書士を目指す人や司法書士の将来を気にしている人は、ぜひこの記事を読んで「司法書士の将来性」についてもう一度考えてみてください。
司法書士はオワコンで将来性なしなのか?
オワコンとは、ブームが去って時代に合わなくなった「終わったコンテンツ」の略です。
しかし、司法書士はオワコンで将来性がないわけではありません。
将来性があるかどうかは、今後の業界の変化に対する司法書士の適応力によって変わります。
司法書士白書2022年版によると、司法書士が申請する不動産登記の件数はここ10年で13%ほど減少しています。
年 | 不動産登記申請件数 |
平成22年 | 12,187,620件 |
令和2年 | 10,615,725件 |
しかし、それで司法書士の将来性がないことにはなりません。
なぜなら、
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など司法書士の業務が増えている分野もあるからです。
この相続登記は一例に過ぎません。
このような業界の変化に対して、司法書士も適応していけば業務を拡大していくことができるはずです。
司法書士はやめとけ、やめたほうがいいと言われるのはなぜ?
しかし、「司法書士はやめとけ」「司法書士はやめたほうがいい」と言ってくる人はいます。
そうした人たちがやめとけと言う理由は以下のようなものです。
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あなた自身が司法書士の仕事をやりたいと思ったのであれば、これらの意見は聞く必要がありません。
司法書士はオワコンで将来性なしと言われる理由
司法書士がオワコン、将来性なしと言われる理由には以下のようなものがあります。
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これらの理由の詳細と、そうならない理由について説明していきます。
1.司法書士の年収が低く生活できない
大手求人情報サイトや司法書士会の求人情報データから計算すると、勤務司法書士の平均年収は312万円~384万円ほど。
業界的にあまり昇給も多くないので、独身ならともかく家族を養って生活するには少ないという意見があります。
しかし、独立開業司法書士の平均年収は457万円~595万円と高く、1,000万円以上稼いでいる人も10%以上。
司法書士になっても独立開業すれば、年収が低くて生活できないということはないでしょう。
2.人口減少
日本の人口が減少することで登記申請が減り、司法書士の将来は先細りになるという意見があります。
しかし、さきほども述べたように相続登記の件数は逆に増えています。
日本の少子高齢化が進むことで、相続・成年後見・民事信託などの業務は今後も増えていくことが予想されます。
そのため、人口の減少は司法書士の将来性がない理由にはなりません。
3.自分で登記手続きをする人が増えている
近年は法務局で無料登記相談を受けやすくなったり、法務局サイトで申請書の雛形が見れるようになり、自分で調べて登記申請をする人も増えました。
また、ネット上でデータを入力するだけで申請書を作成してくれるようなサービスも登場しています。
今後もこうした本人申請が広がれば、司法書士の仕事はなくなってしまうだろうという論理です。
しかし、無料登記相談は個別具体的な申請書の作成方法の指導や、作成した申請書の添削などはしてくれないため、少し事情が込み入っただけで本人申請は難しくなります。
単なる雛形やネット上での入力で画一的に登記申請すると、
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を申請してしまう可能性があります。
司法書士はお客様の状況に合わせて必要な登記を助言、説明する「コンサルティング」も仕事ですので、司法書士の需要はまだしばらくは無くならないでしょう。
4.AIの進化で仕事がなくなる
登記申請のような事務仕事こそ、AIの進化で無くなる仕事の筆頭格!という意見があります。
たしかにAIが進化すれば簡単に申請書が作れるようになるかもしれません。
しかし、司法書士の業務をAIで代替するのが難しい理由はいくつもあります。
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これらの課題をAIがクリアするには、登記制度の改革、財産制度の改革などAI以外の分野での変化も必要となるでしょう。
司法書士をオワコン、将来性なしにしない生き残り策
司法書士がオワコンで将来性がないと言われる理由と、そうならない理由を説明しましたが、オワコンにならないためには時代の変化に適応していく必要があります。
司法書士が今後も生き残っていくための策には以下のようなものが考えられます。
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独立などで経営者の立場になる
勤務司法書士の年収が低い問題は、自身が独立開業したり司法書士法人の経営側になることで解決できます。
また、経営者の立場になれば自ら考え、時代に合わせて業務を変化させていくことができるようになります。
独立と言うととても難しく失敗が多いイメージがありますが、司法書士は独立が容易な資格であり、廃業率もせいぜい2%ほどしかなく、独立のハードルはかなり低いです。
得意分野に特化する
司法書士は
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など業務範囲が非常に広いです。
それぞれが複雑な業務であるため、得意分野に特化すればスペシャリストとして将来に渡って活躍することができます。
専門性を高めておけば、将来AIがさらに進化したとしてもAIに負けない付加価値をお客様に提供できるでしょう。
手続き代行で終わらないコンサルティング能力を身につける
単純な申請書作成代行のような業務はAIによって無くなる可能性があります。
そのため、お客様からお話を聞く際に
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など、言われたことを単にこなすだけではない仕事ができるように、
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といった能力を高め、お客様自身も気づいていないニーズを満たせるようになると良いでしょう。
司法書士はオワコンで将来性なしなのか?まとめ
司法書士はオワコンで将来性なしと言われることがありますが、時代の変化に適応していけば将来性がないことはありません。
特にAIの進化により司法書士の仕事は無くなると言われることがありますが、
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などにより、司法書士としての価値を高めることができます。
また従来業務でも、司法書士が間に入って書類を確認し責任を持つ決済業務のようにAIでの代替が難しいものもあります。
司法書士は、社会に必要不可欠な専門家です。
時代の変化に対応して新たな価値を創造していけば、司法書士の将来性は明るいでしょう。