おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
スタディングだけでも司法書士の記述式は書けるようになる?
他の予備校と比較して良い点、悪い点はなに?
記述式だけ勉強したい場合にスタディングを選ぶのはアリ?
スタディングで合格するには記述式はどう勉強すれば良い?
そんな風に思っていないですか?
私は4年間かけて司法書士試験に合格しましたが、3年目までは記述式が苦手でろくに解答用紙を埋めることができませんでした。
そのため、私は3年目4年目は記述式対策を意識して講座を選び、結果的に記述式45位(707人中)で合格しています。
司法書士試験は択一式が重視される試験ですが、記述式も一定以上の点数が取れなければ不合格。
記述式が苦手な人でも比較的安い「スタディング」で合格に必要な点数が取れるようになれるのなら時間もお金も節約できます。
しかし「スタディング」の記述式対策の中身があなたに合っていなければ時間もお金も無駄にしてしまいます。
そのためこの記事では、「スタディング」の記述式講座について、
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といったことを解説しています。
この記事を読むことで、「スタディング」の記述式講座の内容が分かり、今のあなたに合っている勉強ができる講座なのかどうかが判断できます。
また、スタディングの記述式対策講座の効果を高めるための勉強方法も分かります。
択一式と記述式、両方ともしっかり勉強するための最適な講座・勉強方法を選び、効率良く合格につながる勉強を積み重ねていきましょう!
スタディングの記述式対策講座は主に初学者向け
スタディングの記述式対策講座は全体を通してみると初学者向けの内容です。
しかし、択一式と一緒に記述式の基礎も勉強する講座設計になっているため、記述式の理解度に応じて必要な講座は異なります。
スタディングの記述式がおすすめできる人、おすすめ講座の組み合わせは以下のとおり。
おすすめする人 | おすすめ講座 |
司法書士の勉強をスタディングで始める初学者 |
合格コース (択一式+記述式) |
記述式が全く分からない人 | |
基本は独学だが、記述式は講座で学びたい人(ひな形から教えて欲しい人) | |
基本は独学だが、記述式は講座で学びたい人(ひな形は独学できる人) |
記述式対策講座 (記述式のみ) |
ひな形はそこそこ覚えている中上級者 |
一方で、スタディングの記述式対策があまりおすすめできないタイプの人は以下のとおり。
おすすめしない人 |
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これらのおすすめ理由、おすすめしない理由については、講座の内容を説明しながら解説していきます。
スタディング司法書士講座の記述式の内容
スタディング司法書士講座全体の内容については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【合格者が解説】スタディング司法書士講座の評判・口コミとデメリット対策 |
スタディングで特に記述式に関する内容が含まれる講義・ツール等は以下のとおり。
講座・コース | 講義・ツール | 記述式の内容 | ||
合格コース (択一式) + (記述式) 89,100 (税込) |
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基本講座(択一) 約150時間 |
講義の中で択一の知識と記述式の申請書ひな形を関連づけて説明 | |
要点暗記ツール | 基本講義の穴埋め式復習ツール | |||
記述式ひな形 暗記ツール |
記述式の申請書ひな形だけを集めた穴埋め式復習ツール | |||
記述式対策講座 (記述式)
44,000円 (税込) |
記述式 対策講座 約25時間 |
基礎編 | 個別論点の申請書の書き方を説明 | |
過去問編 | 平成20年以降の記述過去問の解説 |
基本講座や要点暗記ツールは択一式が中心ではありますが、基本的な申請情報についても説明します。
そのため、記述式に関する説明は「記述式対策講座 約25時間」より実質的には多いです。
ここからはスタディングのメリットとデメリットの説明を通して、もう少し詳しい内容に触れていきます。
スタディングの記述式のメリット
スタディング司法書士講座の記述式対策のメリットをまとめると以下のとおり。
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各メリットについてより詳しく説明していきます。
択一式と一緒にひな形を覚えられる
スタディングでは不動産登記法や商業登記法の基本講座の中で、登記記録や申請書の具体例を示しながら説明をします。
そのため、択一の知識とそれに対応する基本的な申請書ひな形を一緒に勉強することが可能。
あとでひな形集だけを読んでひな形を暗記していく勉強法よりも、関連した知識と一緒に覚えたほうがひな形が記憶に残りやすくなります。
学習フロー中で3回は繰り返すのでひな形を覚えやすい
スタディングでは不動産登記法などの科目は
- 基本講座(択一)
- 要点暗記ツール
- ひな形暗記ツール
という順で勉強します。
基本講座で説明を受けてひな形を勉強し、要点暗記ツールで講義全体を復習、ひな形暗記ツールで講義に出てきたひな形をもう一度復習します。
このように、記述式で使うひな形を最低でも3回は繰り返し勉強することになるため、他の予備校に比べてひな形を学ぶ機会が多く、自分でひな形集を読んで覚えるよりも効率良くひな形を覚えていくことができます。
記述式問題文に近い表現になっているひな形暗記ツール
司法書士試験の記述式問題は「事実関係」を説明する文章と別紙の「登記記録」から必要な情報を集めて申請書を作成します。
そして、スタディングのひな形暗記ツールも「事実関係」と「登記記録」を読んで申請書の穴埋めをする形式になっています。
具体的には以下のような感じ。
このように、ひな形を覚える時点から本試験問題に近い形式で学ぶことができるため、ひな形を覚えることが本番の得点に結びつきやすくなっています。
必要なことだけを短時間で確認しやすい
スタディングのひな形暗記ツールですが、前述の「登記記録」「事実関係」から申請書の穴埋めをするだけでなく、どうしてそのような申請書になるのかの「解説」も付いています。
あとで復習しようとしたときに講義の内容を忘れていても、ひな形暗記ツールだけでも内容を思い出すことができるので、講義を視聴しなおす必要がなく短時間で復習することができます。
司法書士試験は択一式も記述式も何度も繰り返し勉強して覚えていくことになるため、短時間で反復学習できるのはかなり便利です。
スタディングの記述式のデメリット
スタディングの記述式にはデメリットもあります。
デメリットをまとめると以下のとおり。
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各デメリットの詳細と、デメリットへの対策法について説明していきます。
記述式講義はひなを覚えていることが前提の難易度
スタディングは択一式の基本講座の中でひな形について解説しているため、記述式講座は個別のひな形についての解説はせず、ひな形を使って解答をどう導くかを解説しています。
スタディングの択一式 | 択一式 + 記述式ひな形 が学べる |
スタディングの記述式 | 記述式のひな形を使った解き方 が学べる |
スタディングの記述式講義はひな形を覚えていることが前提となるため、内容はやや上級向け。
記述式が苦手でひな形をほとんど覚えていない人が記述式講座だけを受けてもあまり理解できない可能性が高いのがデメリットです。
そのため、あなたが現時点でどのくらい記述式の知識があるのかに合わせてコースを選ぶことが重要です。
ひな形暗記ツールは択一式のコースに付属している
記述式が苦手でひな形もまだ覚えていない人は、まずひな形を覚えるのが先決。
メリットの解説でも説明したように、スタディングはひな形を覚えるのに有効なメリットが多いため、ひな形を覚えていない人が受講するのはアリです。
しかし、ひな形暗記ツールは、
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でなければ使えないのが大きなデメリット。
ひな形を覚えていない人が「記述式対策講座」を受講しても、講義は理解できず、ひな形暗記ツールでひな形を覚えることもできません。
あなたがスタディングで記述式対策をしようと考えているのであれば、次の点に注意してください。
対策:理解度に合ったコースを選ぶ
スタディングで記述対策をしようと考えるなら、あなたの記述式の理解度に応じたコースを選びましょう。
理解度別におすすめするコースは以下のとおり。
おすすめする人 | おすすめ講座 |
司法書士の勉強をスタディングで始める初学者 |
合格コース (択一式+記述式) |
記述式が全く分からない人 | |
基本は独学だが、記述式は講座で学びたい人(ひな形から教えて欲しい人) | |
基本は独学だが、記述式は講座で学びたい人(ひな形は独学できる人) |
記述式対策講座 (記述式のみ) |
ひな形はそこそこ覚えている中上級者 |
ひな形を覚えきれていない人は択一式と記述式の「合格コース」を選びましょう。
なぜなら、ひな形暗記ツールを活用すればひな形を覚えやすいからです。
ひな形を覚えきれていない人は択一式もまだあやふやな可能性が高いため、択一式の復習もできる点も良いです。
一方、自分に合うひな形集でひな形はこれから覚えるという人や、もうひな形は覚えているという人は択一式の講義やひな形暗記ツールは不要なので、「記述式対策講座」だけで十分です。
ひな形を覚えるには学習フローとは別に復習する必要アリ
スタディングは「学習フロー中で3回は繰り返すのでひな形を覚えやすい」で前述したメリットによりひな形を覚えやすいです。
しかし、覚えやすいとは言っても3回勉強するだけではひな形を完璧には覚えられないのが事実。
結局は他の予備校で勉強するのと同じように、スタディングで決められたカリキュラムを消化するだけではなく自分で復習を繰り返してひな形を覚える必要があります。
対策:択一式の復習と併せて記述式も復習する
ひな形を覚えるためには、繰り返し復習するしかないです。
これはスタディングでも他の予備校でも同じ。
ひな形を覚えていない人は、添付書類や登記事項など択一式もまだ理解が不十分な状態です。
そのため、
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といった復習を繰り返して、ひな形だけでなく択一式も一緒に復習するようにしましょう。
ひな形だけを眺めて暗記するよりも、択一式も補強したほうが司法書士試験合格に近づくはずです。
記述式の総合問題の量が少ない
スタディングの記述対策講座の基礎編講義は
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などのような個別論点が中心であり、本試験のように複数の論点がある総合問題は過去問だけになります。
そのため、本試験と同じ総合問題を解く経験があまり積めないのがデメリット。
総合問題は論点が多いため、問題文も長文になります。
その長文の中に順不同で必要な情報が散りばめられています。
1つ1つの論点なら申請書が完璧に書ける!
という人であっても問題文が長文になると、必要な情報を見落としたり、問題文を読んでいるときには気づいていたのに申請書を書くときには忘れていたということが頻発します。
このようなミスを減らすためには、たくさんの総合問題を解いて情報整理に慣れておくことが大切。
総合問題を解いた経験が少ないと、記述式の点が良いときと悪いときの差が大きくなってしまいます。
対策:他校の模試・答練を活用
スタディングだけでは総合問題の経験が不足するので、他予備校の模試や答練を受けて記述式の総合問題をいくつも解くようにしましょう。
スタディングで解ける記述式の過去問は、一番本試験の問題に近い形式です。昔の本試験そのものなので当たり前ですが。
しかし、過去問と同じ問題があなたが受験する本試験で出る確率はかなり低め。
そのため、スタディングの記述式過去問を繰り返し解くよりも、本試験の予想問題にもなっている模試を解いたほうが点が取れる確率は上がります。
模試については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2023年向け】司法書士試験おすすめ模試スケジュール・活用法まとめ |
模試以外にも予備校が実施している答練というものもありますが、模試のほうが予想問題としての精度が高いので模試を優先したほうが良いです。
答練については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【司法書士試験】答練は必要か?不要か?必要な人のタイプ |
解答に必要な事実関係の読み取り力が身につきにくい
スタディングのひな形暗記ツールや記述対策講座基礎編では、申請書を書くのに必要な「登記記録」や「事実関係」が示されています。
しかし、必要な登記記録や事実関係だけが揃っているため、「長文の事実関係の中から必要な情報を自分で探し出す」能力を鍛えることはできません。
スタディングの記述対策講座で事実関係の読み取り力を身につけられるのは、記述対策講座過去問編ですが、過去問を実際に解きながら自分で事実関係を読み取る力を身につけなければなりません。
国語が得意であり、情報を整理するのが得意な人であれば問題ないですが、情報の整理が苦手な人は
過去問編になった途端、全然分からなくなった!
となる可能性があるのがデメリット。
ついていくのが厳しいと感じた場合は、他の記述式対策講座や市販テキストを併用して、自分に合う方法を探すことも必要になるかもしれません。
解く手順や解法テクニックの指導がほとんどない
事実関係の読み取り力より少し細かい話ですが、スタディングでは記述式のテクニックのような「ノウハウ」の解説はほとんどありません。
そのため、
記述式の解法テクニックなどを学びたい!
というような人にはスタディングの記述対策講座はあまりおすすめしません。
記述式のノウハウには例えば以下のようなものがあります。
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このようなノウハウを実践することで、
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といったメリットが期待できます。
記述式のノウハウは身につけなくても司法書士試験に合格することはできます。
しかし、ノウハウがあったほうが有利なのは間違いありません。
対策:他の記述式対策講座・市販テキストで補う
必要な事実関係を読み取る技術を身につけたいのであれば、
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を使って補うのが一番早いです。
記述式対策講座だけ受講できる予備校・通信講座も結構あるので費用も抑えることができます。
記述式の解き方には絶対的な正解はなく、合格者同士でも解き方はみんな違います。
そのため、色々な講師の解き方に触れて自分に一番合った解き方を身につけるのがおすすめ。
記述式の単科講座については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【司法書士】3年目まで記述式書けなかった私が合格した解き方・勉強法・対策講座のおすすめ |
他の予備校を使うのはちょっと予算的に厳しい
という場合は、市販テキストで勉強するのがベター。
伊藤塾の山村講師の「うかる!司法書士 記述式答案構成力」シリーズは伊藤塾で講義している内容を分かりやすく解説しているため、読んで問題を解くことで
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といったことを学ぶことができます。
本試験レベルの問題演習もできるのでおすすめ。
スタディング司法書士講座の記述式対策まとめ
スタディングの記述式には
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といったメリットがあり、初学者の人でもひな形を覚えやすくする工夫がされています。
しかし、ひな形暗記ツールなどは「総合コース」のような択一式対策がある講座にしか含まれておらず、「記述式対策コース」には含まれていないのは注意。
「記述式対策コース」はひな形を覚えている人が学習する難易度になっており、個別論点と過去問を学べます。
しかし、本試験レベルの総合問題が少なく、事実関係を読み取る方法や記述式のノウハウといった要素もほとんどないので、
総合問題をもっとたくさん解きたい!
記述式のノウハウを学びたい!
という人には向きません。
スタディングで勉強している初学者の人は、まずスタディングだけをやりきるのがおすすめ。
なぜなら、初学者はスタディングで教える内容を消化するだけでも手一杯になるため、勉強の範囲を広げてしまうとスタディングの内容も身につかなくなってしまうからです。
スタディングの記述式だけでも合格することは可能なので、まずはスタディングを100%まで仕上げましょう。
○○が苦手だから補いたい
という考え方は2年目以降にしたほうが効率的に成績を伸ばすことができますよ。
最後に改めてスタディングの記述式対策がおすすめな人と、おすすめしない人を挙げておきます。
おすすめする人 | おすすめ講座 |
司法書士の勉強をスタディングで始める初学者 |
合格コース (択一式+記述式) |
記述式が全く分からない人 | |
基本は独学だが、記述式は講座で学びたい人(ひな形から教えて欲しい人) | |
基本は独学だが、記述式は講座で学びたい人(ひな形は独学できる人) |
記述式対策講座 (記述式のみ) |
ひな形はそこそこ覚えている中上級者 |
おすすめしない人 |
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記述式は合格者によっても解き方が違います。
あなたに合った方法で勉強するようにしましょう。
また、記述式ばかりに気を取られて択一式で点が取れなくなってしまったというのも受験生によくある失敗です。
司法書士試験は択一式が重要な試験ですから、記述式に深入りしすぎないよう注意しましょう!