おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。
司法書士試験の合格者の平均年齢ってどのくらい?
40歳、50歳を超えてから司法書士を目指すのは無謀かな?
仮に試験に合格しても事務所に採用されないのでは?
合格者の最年少はどのくらい?
私も同じように合格できるかな?
どうやって勉強すれば良い?
そんな不安や疑問はありませんか?
私自身は30代から司法書士試験の勉強を始め、4年かけて合格したころにはアラフォーでしたが事務所に就職して仕事を学び、現在は独立しています。
司法書士試験は年齢に関わらず計画的に勉強を進めなければいつまでたっても合格することはできません。
そのためこの記事では、
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について解説します。
結論から言うと、正しい勉強法を続ければ司法書士試験は年齢に関わらず合格できますし、合格後に実務経験を積むこともできます。
あなたが司法書士になりたいと考えているなら、あなたの可処分時間に合った講座を選んで勉強しましょう。
アラフォーで司法書士試験に合格し、勤務も独立開業も経験している私が解説しますので、ぜひ参考にしてください。
司法書士試験合格者の平均年齢
2023年(令和5年)の司法書士試験の合格者の平均年齢は41.14歳です。
司法書士試験はもともと社会人の受験者が多い試験です。
合格者の平均年齢は9年間で約5歳ほど上昇中で、年齢があまりハンデになりません。
年度 | 合格者の平均年齢 |
2014年(平成26年) | 35.04歳 |
2015年(平成27年) | 35.16歳 |
2016年(平成28年) | 38.03歳 |
2017年(平成29年) | 37.60歳 |
2018年(平成30年) | 38.77歳 |
2019年(平成31年) | 40.08歳 |
2020年(令和2年) | 40.02歳 |
2021年(令和3年) | 41.79歳 |
2022年(令和4年) | 40.65歳 |
2023年(令和5年) | 41.14歳 |
司法書士試験の最年少合格者
司法書士試験の歴代最年少合格者は、2018年(平成30年)、2023年(令和5年)の19歳です。
歴代の最年少合格者と、次点合格者の年齢は以下のとおり。
年度 | 最年少合格者 | 次点合格者 |
2014年(平成26年) | 20歳(H6生まれ)1名 | (H5生まれ)4名 |
2015年(平成27年) | 20歳(H7生まれ)1名 | (H6生まれ)1名 |
2016年(平成28年) | 21歳(H7生まれ)1名 | (H6生まれ)6名 |
2017年(平成29年) | 20歳(H8生まれ)1名 |
(H8生まれ)2名 (H7生まれ)4名 |
2018年(平成30年) | 19歳(H11生まれ)1名 | (H9生まれ)3名 |
2019年(平成31年) | 20歳(H11生まれ)1名 | (H10生まれ)3名 |
2020年(令和2年) | 21歳(H11生まれ)6名 | (H10生まれ)3名 |
2021年(令和3年) |
21歳(H12生まれ)4名 |
(H11生まれ)6名 |
2022年(令和4年) |
20歳(H13生まれ)1名 |
(H13生まれ)3名 (H12生まれ)10名 |
2023年(令和5年) |
19歳(H16生まれ)1名 |
(H15生まれ)1名 |
近年は最年少合格者も次点合格者も複数名のことも多いです。
最年少合格者を真似して合格できる?
最年少合格者が出た!となれば予備校の宣伝にはうってつけ。
大手予備校LECさんに最年少合格者の合格体験記・インタビューがありました。
合格体験記・インタビューを読むかぎり、私は最年少合格を真似することはかなり大変ですが可能なレベルだと思います。
必要なのは「1日8時間以上の勉強を毎日継続すること」。これがかなり大変。
しかし一方で、お二人の学歴はそれぞれ「高卒」と「人文社会学部在学」です。
つまり、法律の勉強をしたことがなくても2~3年試験勉強を続ければ合格できます。
「未成年」は司法書士の欠格事由
司法書士試験には受験資格が無いので未成年者も受験することができます。
しかし、未成年者は司法書士登録はできません。
司法書士法第5条の司法書士の欠格事由として「未成年者」が挙げられているからです。
ですから、平成30年度の最年少合格者(19歳)は20歳になるまで当時は登録はできなかったわけです。
しかし、現在は成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたため、18歳から司法書士登録が可能になっていきます。
司法書士試験の最高齢合格者
司法書士試験の最高齢合格者は、2023年(令和5年)の82歳です。
この80歳という年齢は合格者の中でもかなり高く、2018年の2位は72歳でした。
例年の最高齢合格者は以下のとおり。
年度 | 最高齢合格者の年齢 |
2014年(平成26年) | 66歳 |
2015年(平成27年) | 68歳 |
2016年(平成28年) | 71歳 |
2017年(平成29年) | 73歳 |
2018年(平成30年) | 80歳 |
2019年(平成31年) | 72歳 |
2020年(令和2年) | 73歳 |
2021年(令和3年) | 77歳 |
2022年(令和4年) | 71歳 |
2023年(令和5年) | 82歳 |
例年、70歳前後の人が合格しています。
合格者の年齢構成の変化
合格者の平均年齢が40歳になった2019年と、その5年前(2014年)の合格者の年齢、人数を比較してみる以下のとおり。
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さらに、2014年と2023年も比較してみました。
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司法書士試験の受験者数と合格者数は減っているにも関わらず、41歳以上の合格者数は増加傾向が続いています。
このため「これから勉強を始めても遅くはないですよ」と私も言うことができます。
高齢合格者の勉強法のポイント
高齢合格者の勉強のポイントは以下の2つ。
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予備校を使う
定年退職後にマイペースに独学で勉強を始める人もいますが、司法書士試験に合格しようと思うのであれば、やはり予備校を使った方が良いです。
実際に2014年(平成26年)の最高齢合格者の方はLEC、
2017年(平成29年)の最高齢合格者の方は伊藤塾を使って合格しています。
2017年度合格 伊藤忠男さんのケース
このお二人の話に共通するのは、
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ということ。
私自身は最初から予備校を使って勉強しましたが、独学で始めていたらもっと合格までに時間がかかっていただろうと思います。
時間と費用を考えると最初から予備校を使った方が結果的にリーズナブルに合格することができるという考え方は若い人でも高齢な人でも共通していると言えます。
なので、これから司法書士の勉強を始める人、今独学で苦しんでいる人は予備校を使うのがおすすめです。
高齢受験ならではの工夫
予備校を使って勉強することは年齢に関係なく重要ですが、高齢ならではの勉強の注意点もあります。
2014年の最高齢合格者Y・Hさんによると
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という注意点を挙げています。
キーワードのメモ、主要判例の理解法などは年齢に関係なく有用な勉強法ですよ。
司法書士になるには年齢が影響するか
どのような仕事を始めるにも年齢は影響します。
若い人と年齢を重ねた人では司法書士のなり方も違うでしょう。
しかし、司法書士は他と比べて年齢を重ねていてもやりやすい仕事です。
司法書士の現状や採用状況などからその理由を説明していきます。
現役司法書士の年齢構成
2018年版司法書士白書によると、現役司法書士の年齢構成は以下のグラフのようになっています。
40代が最も多く、次いで30代と60代が拮抗しています。
司法書士は60代の先生が現役で活躍している資格だということです。
70代80代になると人数が減ってきますが、それでも20代よりも多いくらいですからまさに生涯現役が可能な資格と言えるでしょう。
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(参考)弁護士の年齢構成
団塊の世代、団塊ジュニア世代だから司法書士の60代の人数が多いのかと思われるかもしれませんが、弁護士はそうなっていません。
2019年版弁護士白書によると、現役弁護士の年齢構成は以下のグラフのようになっています。
このように弁護士は圧倒的に40代までが多いです。
もちろん新司法試験制度が始まり合格者が増えた影響はありますが、それだけでは50代が60代より多い理由の説明はつきません。
「司法書士は平和産業、弁護士は闘争産業」なんて言われ方もするように、弁護士は高齢になってから続けるのは大変な仕事ということなのだと思います。
弁護士と比べると司法書士は年齢を重ねてからでも仕事をしていきやすいと言えることが分かりますよね。
合格後に年齢40代以上でも採用はある
難しい司法書士試験に合格しても、40代以上を雇ってくれる事務所はあるのでしょうか。
司法書士業界経験者ならともかく、未経験で試験勉強を始めた方にとっては不安を感じる部分。
この疑問には実際に司法書士事務所に求職者の紹介をしている会社の方のお話が非常に参考になります。
辰已法律研究所で司法書士試験の講師をされている松本雅典講師と事務所に求職者紹介をしている株式会社リーガルブライトの岩井氏の対談記事からポイントを抜粋します。
事務所採用の年齢制限について |
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このように、年齢を重ねていても他業界と比べて採用されやすいのが司法書士業界です。
就職せず司法書士になるには独立という手も
司法書士試験は試験知識が業務に近く、合格後の新人研修で希望者は配属研修まで受けることができます。
そして、配属研修では実際に事務所で働きながら実務を学ぶことができます。
この配属研修を終えてすぐに独立をするという方も毎年いるんです。
あなたが採用を希望するエリアで求人が無いのであれば、配属研修後にすぐ独立することも不可能ではありません。
いわゆる「司法過疎地」と呼ばれるような地域では独立開業のための支援が受けられるほど。
この「司法過疎地開業支援」は毎年行われています。
日本司法書士会連合会:令和4年度司法過疎地開業支援事業の実施について
すぐに独立をするのであれば、社会人経験の少ない若い人よりも年齢を重ねて色々な経験が豊かな人の方がスムーズに開業準備できるくらい。
特に、過去に他業種への転職経験などがある人であれば、1から仕事を覚えるのも経験済みですから独立開業もしやすいでしょう。
司法書士になるには、年齢による注意点
ここまで、司法書士になるには年齢の影響は少ないというお話をしてきました。
しかし、残念ながらどうしても司法書士に向いていないタイプの人も存在します。
それは「パソコンを使えない人」です。
現在の司法書士の実務では申請書や添付書類もほぼ全てパソコンを使って作りますから、
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という場合には試験に合格しても仕事ができません。
司法書士業務用のソフトも販売されていますが機能が豊富で使いこなすのは結構大変。
でも、最低限として「Word」と「Excel」が使えれば司法書士の仕事をすることは可能です。
「Word」「Excel」が使えると言っても難しいことができる必要はなし。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)まではできなくても大丈夫なくらいですので安心してください。
後は、この記事を読んでいるあなたであれば問題無いでしょうが、お客様との連絡・やり取りのためスマホ、メールも基本的な操作ができた方が良いでしょう。
司法書士試験の最年少・最高齢合格者・平均年齢まとめ
司法書士になるには年齢が影響する部分はあります。
しかし、その影響は他の資格や仕事と比べると非常に小さく、司法書士は若い人はもちろん年齢を重ねてからでも目指しやすい資格です。
試験合格後は心配しなくても大丈夫ですので、まずは試験合格のためにどれだけ勉強できるかが重要です。
司法書士になれば生涯現役で仕事をすることも可能ですよ!