
おつかれさまです!資格ワン運営の司法書士「よしと」です。

司法書士試験は独学でも合格できる?
独学で合格できるのはどんなタイプの人?
独学ではテキストは何を使うのがおすすめ?
どうやって勉強すれば独学合格できる?
実際の合格者はどうやって勉強していたの?
そんな風に思っていませんか?
私は司法書士試験を4回受けて合格しました。
私は4年間予備校を使いながら勉強していましたが、予備校を使っていても司法書士試験に合格するための勉強時間の大半は自習時間です。
私自身にも4年間で色々なテキストを使いながら自習をしていた経験があります。
そのためこの記事では、司法書士試験に独学で合格するために知っておきたい独学合格のデータや独学の特徴、独学で使うテキストと勉強方法、独学を進めていくためのスケジュールについて具体的に説明していきます。
この記事を読むことで、司法書士試験で独学するか迷っている人、これから独学で勉強していく人が独学に向いているのか、どうやって独学をしていけば良いのかが分かりますよ。
【悲報】司法書士試験に独学一発合格するのはほぼ無理
司法書士試験で
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この3つを全て満たすことはほぼ無理。
独学での一発合格はほぼ無理ですが、確率は0ではありません。
しかし、並大抵ではない努力に加えて運も良くなければ一発合格することは無理。
これは単なる合格者の1人としての感想ではなく、
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の2つに基づいた分析です。
「一発合格」と「独学合格」の2つに分けてもう少し詳しく解説しますね。
予備校を使っていても一発合格はかなり少数
司法書士の予備校は「一発合格」を売り文句にして宣伝し受講者を集めますが、予備校の示す「一発合格」のデータはかなり甘いジャッジがされています。
予備校の言う「一発合格」には現実として以下のようなパターンが含まれています。
予備校の言う「一発合格」のパターン |
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そのため、本当の意味での「一発合格」は予備校の出している「一発合格者データ」の半分もいません。
本当の意味での一発合格者(=勉強期間一年での合格者)が半分もいないことは大手予備校LECのページにもちゃんと載っています。
大手予備校は受講生も多いですが、受講生が死ぬほど頑張って勉強しても本当の意味で司法書士に一発合格できるのは数万人の受験者の中に数人いるかどうかなのが現実。
ましてや、独学で一発合格しようと思ったらあなたの努力だけでは無理なことが分かります。
合格者の中でも完全独学は少数
司法書士試験に合格すると新人研修などで他の同期合格者と話す機会が多くありますが、私が話した同期合格者の中でも独学合格者はかなり少なかったです。
このように、司法書士試験に「独学で合格した人」「一発合格した人」だけでもかなり少数派です。
そのため、「独学&一発合格した人」は相当レア。
独学一発合格した人は0人の年のほうが多いでしょう。
あなたが司法書士試験の独学を考えているのなら「独学で一発合格」なんてギャンブルで勉強するのは止めた方が良いです。
独学と一発合格の合格率についての詳細は以下の記事で解説しています。
関連記事:「独学で司法書士一発合格した人はどのくらいいる?【社会人・専業】」 |
- 予備校を使っていても一発合格者は数少ない
- 予備校を一切使わない「完全独学」の合格者も数少ない
- 独学一発合格は努力だけでなく運も必要
効率良く独学していきたいのであれば、通信予備校クレアールの講師が書いた「司法書士試験 非常識合格法」で科目毎の特徴や出題傾向を把握して独学する方法もあります。
先着100名限定で無料でゲットできるので、下記のページから応募してみると良いでしょう。
※ 定価1,650円の書籍が無料でもらえます。 |
主婦や働きながらの社会人の独学合格者もいる
司法書士試験の受験生には主婦や働きながら勉強する社会人が多いため、合格者に主婦や社会人が多いです。
むしろ、学生の合格者のほうが少ないくらい。
独学での合格者は少数派ですが、私が実際に会った独学合格者も働きながら勉強した社会人の方です。
そのため「主婦や働きながらの社会人は独学での合格は無理!」ということは全くありません。
主婦だから、働きながらだからという理由よりも、毎日勉強を続けられたかどうかの方が合格するかどうかに関係します。
司法書士試験は独学で合格したからと言っても、合格後に何か不利になることはありません。
あなたが司法書士を独学するかどうかはメリットとデメリットを比較して決めましょう。
司法書士試験を独学するメリット・デメリット
司法書士試験の勉強では予備校を使うことがよく勧められます。
正直なところ、私も予備校を使ったほうが良いと思います。
しかし、独学にもメリットとデメリットがあるため、あなたの条件次第では独学を選んだほうが良い場合もあります。
そのため、独学のメリットとデメリットを事前にしっかりと把握しておきましょう。
独学の【メリット】
司法書士で独学するメリットは以下の3点。
独学のメリット |
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それぞれのメリットについて詳しく解説をしていきます。
メリット1:費用が抑えられる
独学では予備校に比べて費用が抑えられるのがメリットです。
実際に独学するために教材を買い揃えると以下のような費用がかかります。
独学の費用例 | |
基本テキスト | 36,850円 |
記述サブテキスト | 21,120円 |
過去問題集 | 23,100円 |
合計 | 81,070円 |
司法書士予備校は約5万円~50万円ほどかかるので、独学であれば数万円から数十万円ほど抑えることができる場合があります。
メリット2:自由にペースを調整できる
独学で勉強する場合は、予備校のように講義スケジュールに縛られることなく、自分のペースで勉強することができます。
予備校へ通学、あるいは通信講座を利用する場合は、予備校で決められた日時に講義や講義配信がされます。
通信講座の場合なら講義を後で視聴することもできますが、視聴期限が設定されているため、勉強のペースを完全に自由に決めることはできません。
また、予備校を利用する場合は講義が始まるタイミングが決まっているため、タイミングが来るまではあなたに時間的余裕があっても先に勉強を進めることができません。

今年は思ったより忙しくなってしまったから翌年の試験の合格に切り替えよう

数カ月後は忙しいから今のうちにたくさん勉強しておこう
といった事情がある人は独学の方が勉強のペースが調整できるので都合が良いです。
メリット3:お試しで始めやすい

司法書士試験に自分が合格できるのか、勉強を始めてから見極めたい
と考える人はお試しとして独学で勉強を始めるのはアリ。
独学なら必要なテキスト類を最初に全部買う必要はないので数千円でスタート可能。
一方、予備校は最初に全部費用を支払うか、分割で支払う必要があるため10万円以上の高額な出費となります。
そのため、

勉強内容が自分に合ってなかったからやっぱり止めた

毎日勉強を続けるのが思ったよりつらかったので止める
という場合に費用を大幅に抑えることができるので「絶対に司法書士になりたい!」という意志が固まっていない人でも、独学なら気軽にチャレンジしてみることができます。
また、「独学で勉強を続けられるかどうか」は独学、予備校に関わらず「あなたが司法書士試験に合格できるかどうか」にも大きく影響します。
司法書士試験の合格にはおよそ3,000時間は勉強時間が必要と言われますが、その3,000時間のほとんどは自習の時間です。
予備校に通っても予備校を利用するだけでは司法書士試験に合格するのは無理。
予備校でも独学でも、司法書士試験合格のためには自分で勉強を続けられることが必須。
そのため、まず独学から勉強を始めて続けられるのかどうかを確認するのはとても有効なんです。
お試しで独学を始める場合には、民法の最初の分だけテキストと過去問を買って勉強すると良いです。
おすすめのテキストと過去問が先に気になる人は後述の「司法書士試験の独学で使うべきおすすめテキスト類」まで飛んでくださいね。
独学の【デメリット】
司法書士の独学にはもちろんデメリットもあります。
デメリットはおおまかに以下の3つ。
独学のデメリット |
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これらのデメリットも踏まえたうえで独学するかどうかを決めましょう。
デメリット1:1周目の理解に時間がかかる
勉強は何も知らない状態から理解をするのが一番時間がかかります。
そのため、独学で試験範囲を一通り理解しようとすると予備校に比べてかなりの勉強時間が必要となります。
人によっては時間がかかるだけでなく、テキストだけでは理解できない場合も。
司法書士は試験範囲が広いため、独学で多くの勉強時間が必要になると予備校利用者に比べて1年~2年ほど合格まで余計な時間がかかります。
そのため、あなたが短期合格を目指すのであれば独学せずに予備校を使うほうが無難。
また、勉強が1年~2年長引くと勉強を続けるための費用もかかるので結果的に予備校を利用して短期合格した場合と費用があまり変わらなかったという事態になる可能性も。
独学と予備校の別を含めた、司法書士試験の合格までに必要な勉強時間については以下の記事で詳しくまとめています。
関連記事:「【逆算して合格!】司法書士試験に必要な勉強時間と勉強法のポイント」 |
デメリット2:法改正の対応が大変
独学だと毎年の法改正に自分で対応しなければならないため、予備校利用者に比べて勉強効率が落ちてしまいます。
法律は毎年のように大小の差はあれど改正があります。
改正内容によっては過去問の○×がひっくり返ることもあるので、法改正を無視することはできません。
独学する場合は、自分で改正内容を調べてテキストに注意書きをしたり、過去問題集にもメモすることに。
予備校利用者であれば、講師が改正内容をまとめてくれますから受講生は改正点まとめをもらうだけで済み、その分勉強に集中することができます。
つまり、独学は調べ物をする時間が余計に増えるだけでなく、その差を埋めるためにもっと勉強時間を増やさないと予備校利用者に勝てないので合格が難しくなるということが言えます。
デメリット3:勉強が続けにくい
人間はどうしても自分に甘くなる生き物。
そのため、

今日はすごく疲れているから

今の時期はすごく忙しいから
といったもっともらしい理由をつけて

今日は勉強しなくても、明日やれば大丈夫
と、より楽な方へ流れてしまいます。
このようなことが積み重なって勉強時間が不足したり、勉強自体をやらなくなってしまいます。
そうなるともちろん司法書士試験に合格することはできません。
予備校を利用していると講義のスケジュールが決まっているため、勉強をサボることができません。
講義スケジュールから勉強が遅れてしまっても、勉強が遅れていることが自分でもはっきりと分かるので焦りが生まれ、勉強をするきっかけになります。
しかし、独学だと自分の勉強が遅れていることに気がつきにくく、どんどんと勉強が遅れてしまいがち。
そのため、司法書士を独学するなら
|
の2つを意識するのが大事。
あなたが独学で司法書士試験に合格できるのかどうか、この2点についてより詳しく解説をしていきます。
独学できる人の条件は【環境】と【習慣化】
司法書士試験は短期合格にこだわらなければ独学でも合格できます。
独学で合格するには、独学のデメリットを克服して勉強を地道に続けることが最重要。
司法書士の独学を続けていくためのポイント(=独学できる人の条件)は以下の2つ。
独学できる人の条件 |
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独学と予備校のメリット・デメリットの比較、それぞれ向いているタイプについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:「【司法書士】独学?予備校?向いてるタイプとメリットデメリット」 |
この記事では司法書士を独学できる人の2つの条件について少し詳しく解説します。
数年は独学が続けられる「環境」
最初にも言ったとおり、独学では一年で合格することはほぼ無理です。
通常の努力であれば、独学で司法書士試験に合格するには最低3年はかかると考えるべき。
そのため「3年以上先も毎日勉強を安定して続けられる環境」を準備しておくことが独学で合格するための条件になります。
環境の詳細としては以下のようなものが例として考えられます。
3年以上先も毎日勉強を安定して続けられる環境の内容 | |
家庭面 |
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仕事面 |
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健康面 |
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ざっと考えるだけでもこれだけの条件が考えられます。
この中に一部でも不安な点があるのであれば、予備校を利用して「勉強時間をお金で買う」ほうが司法書士試験に合格しやすいと考えられます。
やる気がなくても勉強を続けられる「習慣化」
独学で勉強を続けられず挫折しないためには、やる気がなくても勉強できるよう勉強を習慣化することが大事です。
学生の頃の定期テストなどではやる気を出して一夜漬けで高得点を取った経験がある人もいるでしょう。
中には高校受験や大学受験などで、やる気を数ヶ月維持して猛勉強した猛者もいるかもしれないですね。
しかし、司法書士試験は一年以上かかります。
3年以上独学で勉強することになるでしょう。
人間のやる気は短時間しか持たないので、やる気で3年以上毎日勉強するのは不可能。
司法書士試験に合格するためには、やる気がなくても勉強をしなければなりません。
そのため、毎日の決まった時間のルーティンとして勉強する習慣を身につけられることが司法書士を独学する必須条件です。
勉強を習慣化するコツについては以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:毎日コツコツ勉強が最強!やる気が出なくても続けていく方法 |
司法書士試験の独学で使うべきおすすめテキスト類
独学するなら
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テキストや過去問を使ったほうがより楽に合格することができます。
私がおすすめする司法書士の独学に使うテキスト類を一覧にまとめると以下のとおり。
独学のおすすめテキスト類一覧 | |
基本テキスト | 山本浩司のautoma system |
過去問題集 | 山本浩司のautoma system オートマ過去問 または、 合格ゾーン択一式過去問題集 |
記述式テキスト | 山本浩司のオートマシステム 試験に出るひながた集 山本浩司のautoma system(記述式) うかる!記述式答案構成力 |
六法 | 基本的に不要。 六法が欲しいのであれば、司法書士合格六法 |
これらのおすすめテキスト類は、複数の独学合格者ブログでも挙げられています。
それぞれのテキスト類について簡単に特徴を説明しておきます。
テキストは【オートマ】
司法書士独学の定番テキストと言えば「オートマ」と言われるほどに「山本浩司のautoma system」シリーズがおすすめ。
オートマの特徴は以下のとおり。
オートマの特徴 |
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オートマの最大の特徴は分かりやすいこと!
教科書的な説明口調ではなく、語りかけるような口語調で書かれているので読みやすく分かりやすいので、予備校の講義で理解を深められない独学者にとって間違いないテキストですよ。
山本浩司先生の著したテキストは本当に面白い😊『わかりやすい』ってだけじゃ無くて、続きが気になって読み進めてしまう小説みたいな感じです。どうしても民法の物件・担保物件は設問の多彩さから煩雑になりがちだけど、こんなに『面白く』仕上げられるのって凄いです(*´ω`*)#司法書士試験/#朝勉部 pic.twitter.com/fQrjNKTlox
— 天狐牧師 (@OTT_Dawid) January 20, 2021
本屋で司法書士試験の入門書を立ち読みしていたのですが、オートマが1番使い勝手がよさそうですね。解説も腹落ち感があってグッときたし、過去問が一問一答形式なのが最高😇
とりあえずオートマで学習を進めてみて限界が来たら違う方法を考えてみます…!!— こやまゆう (@Koya_Yuu) February 1, 2022
2年目以降の中上級者向けの「オートマプレミア」というテキストもありますが、こちらは別に買わなくてOK。
「オートマプレミア」はよりコンパクトに関連知識を紐付けているまとめたテキストなので、新たな内容が書いてあるわけではありません。
「オートマ」だけしっかりとやり込めば問題なく司法書士試験に合格できますよ。

「オートマ」を何度も読み返していると、詳しい説明部分を読むのに時間がかかる
と感じる人は2年目3年目などに「オートマプレミア」に乗り換えてもOK。
過去問は【オートマ過去問】か【合格ゾーン】
独学か予備校かに限らず、過去問題集は必須の教材です。
過去問には色々な種類がありますが、「オートマ過去問」か「合格ゾーン」を使えばOK。
「オートマ過去問」と「合格ゾーン」を比較すると以下のとおり。
「オートマ過去問」と「合格ゾーン」の比較 | |
オートマ過去問 | 合格ゾーン |
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「オートマ過去問」はテキストを勉強してすぐでも解きやすく、似たような問題が何回も出てこないので初心者におすすめの過去問題集です。
とりあえず「オートマ過去問」だけで勉強して、試験と同じ五肢択一形式で解きたくなったら「合格ゾーン」を買うかどうか考えるという方針で十分。
そのほか、試験を追体験できる「年度別の過去問題集」や記述式だけ集めた「記述式の過去問題集」もありますが基本的には買わなくてOKです。
関連記事:「【過去問マスター】司法書士試験の過去問の使い方・おすすめ比較」 |
記述式は【オートマ記述】と【うかる!司法書士記述式答案構成力】
司法書士試験は択一式のほかに記述式の試験もあるため、記述式のための勉強もしなければなりません。
記述式の独学は「オートマ記述」と「うかる!司法書士記述式答案構成力」を併用するのがおすすめ。
司法書士試験は色々なテキストを使うよりも、同じシリーズで揃えたほうが内容が重複せず効率良く独学できます。
しかし、「オートマ記述」は記述式の解き方を教えてくれるテキストというよりは、実践的な記述式の問題集のような内容なので、初心者が「オートマ記述」だけで記述式の勉強をするのはかなり難しいのです。
そこで記述式は「うかる!司法書士記述式答案構成力」で解き方を身につけるのがおすすめ。
答案構成力と言うとおり、記述式の解き方の手順を解説しているテキストなので、初心者が記述式の勉強をするには最適。
「うかる!司法書士記述式答案構成力」で解き方を身につけ、「オートマひながた集」で申請書の型を覚えれば記述式が書けるようになります。
記述式が書けるようになったら、「オートマ記述」でしっかり練習すれば本番でもしっかりとした答案が書けるようになりますよ。
六法はぶっちゃけ無くて良い
法律の勉強に不可欠と思われがちな「六法」ですが、司法書士試験合格のためにはぶっちゃけ買わなくて良いです。
なぜなら、必要な条文は全部テキストに書いてあるから。

独学だからできるだけ多くの教材を揃えておかないと不安!
と考える人もいますが、あれもこれもと揃えていると予備校と変わらない費用がかかります。
それなら、予備校を使ったほうが良いですよね?
私自身も実は六法を使わないで合格しています。
六法が不要な理由の詳細は以下の記事で解説していますよ。
関連記事:「【結論】司法書士試験合格に六法は不要。六法を使わない勉強法」 |
六法を使った勉強に慣れているため、六法が欲しいという人は「司法書士合格六法」がおすすめ。
大手予備校LECの講師が作った司法書士試験用の六法なので使いやすいと評判です。
司法書士合格六法の特徴は、辰已法律研究所の松本雅典講師の書評が非常に詳しく良い点悪い点がよくまとめられています。
司法書士に独学で合格するための勉強3ステップ
教材が揃ったらあとは勉強するだけです。
しかし、

独学だとどうやって勉強すれば良いのかわからない
という不安はつきもの。
でも司法書士試験の独学の勉強方法はとてもシンプル。
司法書士試験の独学は以下の3つのステップだけです。
司法書士試験の独学3ステップ |
|
この3つのステップ勉強法について解説していきます。
ステップ1:テキストと過去問を組み合わせて勉強
司法書士試験の独学は、テキストと過去問を交互に解き、インプットとアウトプットの勉強を交互にするのがポイントです。
具体的な手順は以下のとおり。
- テキストを区切りの良いところまで読む
- テキストで読んだところに対応する過去問を解く
- 「過去問の解説とテキスト」で解いた問題を復習
- テキストの次の単元に進む
- 1に戻る
テキスト、過去問、復習、テキスト…の順番で繰り返していくだけです。
試験範囲を一通り勉強し終わった後も、また最初から同じように繰り返して勉強。
これを何周も繰り返していくだけで、司法書士試験の択一の基準点くらいの点が取れるようになっていきます。
勉強方法はこのように単純なのですが、勉強時間はとてもかかります。
司法書士試験は合格までに多くの勉強時間が必要ですが、その大半はこのステップ1ですよ。
関連記事:「【過去問マスター】司法書士試験の過去問の使い方・おすすめ比較」 |
記述式はテキストと演習の組み合わせ
記述式の勉強は少し手順が違うので補足しておきます。
- テキストを読む
- ひながた集を覚えるために素振りノートに書く
- 演習問題を解く
- テキストで復習する
- テキストの次の単元に進む
択一の勉強と違うのは、「ひながたを覚えるためにノートに書き取りをする」「過去問ではなく演習問題を解く」の2点だけ。
ノートの細かい使い方や便利アイテムについては以下の記事に詳しくまとめています。
関連記事:「司法書士試験に合格するノートの作り方【勉強時間短縮】」 |

独学だと記述式が難しくて理解できない!
と感じる人は、記述式だけ予備校の単科講座を受講するのも手。
あなたの目標は「司法書士試験に合格すること」なのですから、完全独学!予備校の利用一切禁止!なんて縛りプレイをすることはないです。
関連記事:【司法書士】3年目まで記述書けない私が合格した解き方・勉強法・おすすめ対策講座 |
ステップ2:まとめノートで弱点をなくす
司法書士試験で択一基準点が取れるようになってくると、今までのテキスト過去問の組み合わせでは「もう分かっている部分」をまた勉強する時間が増えてきます。
そのため、択一基準点が安定して取れるようになってきたらテキストや過去問のあやふやな部分、間違えた部分だけを抽出したまとめノートを作りましょう。
弱点まとめノートに書き出すのは以下のような内容です。
弱点まとめノートの内容 |
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間違えた部分だけでなく、絶対間違えないと断言できる問題以外は全て書き出すのがポイントです。
1つずつ問題の理解度を確認してノートに書き出す作業も勉強になりますし、まとめノートを見直せばあなたの弱点だけを効率良く勉強できます。
まとめノートの詳しい作り方の手順は以下の記事で解説。
関連記事:「司法書士試験に合格するノートの作り方【勉強時間短縮】」 |
ステップ3:模試で時間配分を身につける
司法書士試験に合格するには知識の正確性が一番大事です。
しかし、解くスピードも早くなければ司法書士試験の合格は難しいです。
そのため、知識をかなり覚えられたら模擬試験を受けて、試験の時間配分や早く解くための試験テクニックを練習しましょう。
司法書士試験は午後試験が特に時間が不足します。
合格するためには午後試験3時間を、択一1時間、記述式2時間で解くのが目安です。
午後の択一35問を1時間でマークシートを塗り終わるまで進めるのはテクニックが必要。
具体的なテクニックには以下のようなものがあります。
択一を早く解くためのテクニック |
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これらのテクニックを身につけるためには、模試で練習するのが一番です。
試験の時間配分と早く解くテクニックについては以下の記事で詳しく解説。
独学で勉強する順番・スケジュール
司法書士試験の択一は全11科目ですが、テキストのナンバリングの順番で勉強すればOKです。
試験科目の勉強順番と各科目の関係性については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:「【司法書士】独学初学者が守るべき試験科目の勉強順番まとめ」 |
1科目あたりどのくらいのペースで勉強すれば試験に間に合うのかは、プロである予備校の講義スケジュールを参考にすればOK。
ちょうどあなたに合うスケジュールが掲載されていない場合もあるため、私がまとめた独学18ヶ月スケジュールも示しておきます。
択一の独学18ヶ月スケジュール | ||
時期 | 期間 | 科目 |
1月~5月 | 4ヶ月 | 民法 |
6月~8月中旬 | 2ヶ月半 | 不動産登記法 |
8月中旬~11月 | 3ヶ月半 | 会社法・商法・商業登記法 |
12月~1月中旬 | 1ヶ月半 | 民事訴訟法 |
1月中旬~1月下旬 | 1~2週間 | 民事執行法・民事保全法 |
1月下旬~2月中旬 | 2~3週間 | 供託法 |
2月中旬 | 1週間未満 | 司法書士法 |
2月中旬~3月上旬 | 2週間 | 憲法 |
3月上旬~3月下旬 | 2~3週間 | 刑法 |
4月~7月 | 3ヶ月 | 全科目復習 |
この択一の勉強と一部同時進行で記述式の勉強もしていきます。
記述式の独学スケジュール | ||
時期 | 期間 | 科目 |
9月~12月 | 4ヶ月 | 不動産登記法 記述 |
1月~4月 | 4ヶ月 | 商業登記法 記述 |
試験まで18ヶ月無い場合は、勉強時間の比率を維持したまま期間を圧縮。
試験まで18ヶ月以上ある場合は、「民法」「不動産登記法」「会社法・商法」「商業登記法」の主要4科目は18ヶ月と同じペースで勉強し、他のマイナー科目と記述式の勉強期間を増やすようにしましょう。
司法書士試験の合格体験記の一例
実際に私が4年間かけて司法書士試験に合格したときの1日の平均勉強時間と試験の成績をまとめると以下のとおり。
ある社会人の司法書士合格体験記のあらまし | |||
勉強方法 | 平均勉強時間 | 成績 | |
1年目 | 予備校の講義受けっぱなし | 1日1.5時間 | 午前60点 午後72点 |
2年目 | 予備校の講義で手一杯 | 1日1.5時間 | 午前87点 午後66点 |
3年目 | 講義、テキストと過去問で復習 | 1日1.5時間 | 午前63点 午後93点 |
4年目 | まとめノートで弱点対策 | 1日3時間~6時間 (順次増加) | 午前102点 午後84点 記述56点 |
ここまで独学はとても難しいということを説明してきましたが、予備校を利用しても当時の私のようにサボっているといつまでも合格できません。
逆に言えば独学でもこの記事で説明しているように、しっかりと復習をしていれば司法書士試験に合格できます。
これから独学で司法書士試験合格を目指す人は、毎日2時間~3時間勉強することを目標にすると良いですよ。
私の司法書士合格体験記は以下の記事で細かくまとめていますので、それ以上に勉強すれば独学でも合格できる!という目安にしてください。
司法書士試験の独学まとめ
司法書士試験は独学で一発合格するのはほぼ無理です。
これは、実際の合格者のデータからも明らかです。
独学のデメリットは大きいですが、デメリットの対策ができれば独学でも合格することは可能。
独学を検討している人は以下の2つの条件を満たしておくのがおすすめです。
独学できる人の条件 |
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また、とりあえず独学でお試しに勉強を始めてから「司法書士試験の勉強を続けるのか」「独学と予備校どちらで勉強するのか」を判断しても良いです。
独学に使うおすすめテキスト一覧は以下のとおり。
独学のおすすめテキスト類一覧 | |
基本テキスト | 山本浩司のautoma system |
過去問題集 | 山本浩司のautoma system オートマ過去問 または、 合格ゾーン択一式過去問題集 |
記述式テキスト | 山本浩司のオートマシステム 試験に出るひながた集 山本浩司のautoma system(記述式) うかる!記述式答案構成力 |
六法 | 基本的に不要。 六法が欲しいのであれば、司法書士合格六法 |
独学の勉強方法は以下の3ステップで進めましょう。
司法書士試験の独学3ステップ |
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独学の勉強方法は単純ですが、勉強を続けるのはとても大変です。
私は予備校を使っても合格まで4年かかりました。
そのため、私は予備校を使って勉強時間を短縮したり、もっと理解を早めることをおすすめしています。
しかし、独学を検討しているあなたには独学をする理由もあるはず。
独学と予備校のメリットとデメリットをしっかり比較して、あなたの目標が達成できるベストな勉強方法を選ぶようにしてください!